スポーツ能力発見協会(東京・板橋)は全国で子供向けに測定会を開いている。理事長の大島伸矢さんは「10歳前後のゴールデンエージでの運動経験があれば、運動音痴にはなりません」と話す。測定会を訪れる子供のうち、2~3割がそもそも運動が苦手な小学生で、親が「我が子にはどんなスポーツが向いているのか」の糸口をみつけるために訪れるのだという。

同協会では13年から30回以上にわたって全国の小学生向けに測定会を開いてきた。野球をやっていた女子小学生は測定会で陸上競技が向いているとアドバイスをされ、陸上を始めたところ全国大会に出場するほどの実力をつけたという。

サッカーを続けてきた大島理事長はスポーツ選手の知り合いが多く、能力測定について話をすると、「自分が小さい頃にあったら別のスポーツをやりたかった」とこぼす選手が少なからずいたという。「『できる』だけでも『好き』だけでもダメ。両立できるスポーツを探してほしい」

記者もボール投げに挑戦した(電通国際情報サービスのディグスポーツ=東京都港区)

今回取材した記者(24)は中学時代に好きでサッカー部に入部。キーパーだったが、1試合に15失点という失態を演じただけに大島さんの話はぐさりとくる。電通子会社の電通国際情報サービスが同様の運動能力測定システムを開発したと聞き、足を運んだ。

都内にある同社の本社ビルの一室。部屋に入ると、米マイクロソフト社の動作センサー「キネクト」が記者をとらえ、プロジェクターで映し出した。同社の測定システム「ディグスポーツ」は、身長や運動能力から、サッカーや野球など50種目のスポーツから適性のあるものを判定できる。

スーツのまま早速トライ。50メートル走は全力で足踏みするだけ。ももを上げる回数と歩幅から走った距離を算出するという。慣れないためか15秒という目も当てられない結果に終わった。

記者に向いているスポーツはバスケットボールと相撲だった。理由は「高身長と俊敏性を生かしたスポーツ」。身長170センチ弱でやせ形なのに? オープンイノベーションラボの野崎和久さんに確認してみると、小学生向けに設定されていたのが原因だった。

なあ~んだと思いつつ、総合評価が5段階中3番目の「C」という冷酷な現実が目に入った。これって記者の身体能力は、小学生の平均ほどしかないってことか……。

(世瀬周一郎、千住貞保)

[日経MJ2017年5月29日付]