ギンザシックス 無料ポイントカードを発行しないワケ

日経デジタルマーケティング

こうした機能はあくまでギンザシックスの利用を想定した機能だが、ギンザシックスの外でも利用できる機能も用意した。それが「MAGAZINE」機能だ。グライダーアソシエイツ(東京都港区)が提供するキュレーションメディア「antenna」と連携し、antennaの記事がギンザシックスアプリでも読める。銀座に関する情報はもちろん、ファッションやライフスタイルに関するさまざまなコンテンツが配信される。こうした情報も充実させ、店舗外でもアプリを利用してもらうことでブランドとの接点の拡大を狙っている。

「antenna」と連携してコンテンツを配信

館内180カ所に「ビーコン」を設置

ギンザシックスでは“スマホ時代”にふさわしく、その施工段階からデジタル技術を活用したサービス展開や、情報発信を想定した設備投資をしている。「ビーコン」もその1つだ。ビーコンとはスマホの持つ近距離無線通信「Bluetooth」を利用し、近くにいるスマホと通信をしてサービスを提供したり、情報を発信したりできる小型の機器のこと。ギンザシックスには、このビーコンが180カ所に埋め込まれているという。

このビーコンを利用して、店舗へのナビゲーションサービスを開始。広い館内で目的の店舗にスムーズにたどり着けるよう、道案内をしている。

さまざまなアプリで使われるGPS(全地球測位システム)だが、ビル内では衛星からの電波が拾えないことが多い。だがビーコンを使うことで、来店者が、今、どのフロアのどの位置にいるのかを正確に表示できるようにした。アプリから目的の店舗を選ぶとその店舗までの最短ルートが表示されるため、迷うことなく目的地にたどり着ける。

ビーコンはテナントに対するマーケティングデータの提供にも活用する。来館者がどういった経路で店舗内を回遊しているのか。どういった場所に人が滞留するのか、といったことを人流のデータから分析できる。その結果を入居テナントに提供していくことを検討している。

サービス企画部の西岡和也氏は、「店外にいても楽しめるコンテンツの提供や、クーポンなどのお得な情報の発信、館内でのサポートサービスなど、館内外で人に寄り添うパートナーとして利用されるアプリを目指し、新たな機能やサービスも開発していく」と言う。将来的にはアプリを活用した決済サービスも検討している。利便性の高いアプリを提供することで、施設と消費者の関係性を築くことで、継続的な来館や売り上げ増加への貢献を目指す。

(日経デジタルマーケティング 中村勇介)

[日経デジタルマーケティング2017年6月号の記事を再構成]

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