マネー研究所

Money&Investment

カードのポイントで「資産運用」 投資を疑似体験 セゾンやインヴァストなど参入

2017/5/30

 買い物でためたポイントで、金融商品に投資ができるようになったと聞きました。どんなサービスなのでしょうか。

◇  ◇  ◇

 クレジットカードのポイントなどを使って、あたかも現金と同じように「資産運用」ができる会社が増えている。先行したのはクレディセゾン。昨年12月、「ポイント運用サービス」を始めた。「永久不滅ポイント」がたまるカードを保有し、インターネットサービスに登録した人が対象だ。

 会員はネット画面で「ポイント運用(買い付けに相当)」もしくは「運用からの取り出し(売却に相当)」を選ぶ。運用は100ポイント(約500円)、取り出しは1ポイントから可能だ。

 運用に回ったポイントはセゾンが出資する投資顧問会社が運用する投資信託の値動きに合わせて増えたり、減ったりする。海外の株・債券を中心にした積極運用と、国内債券中心の安定運用の2種類が選べる。

 もっとも、会員はポイントの増減を通じて投資を疑似体験するだけで、会員が投信を保有するわけではない。投資経験のない人でも始めやすい仕組みだ。

 「ポイントはオマケという位置づけなので、運用がうまくいってポイントが増えたとしても課税対象にはならない」(クレディセゾン経営企画部グループ戦略室の美好琢磨氏)。ポイントは他の提携ポイントやギフト券に交換できる。5月下旬時点で利用者は4万人を超えたという。

 異なる手法でポイント「運用」サービスを準備するのインヴァスト証券だ。ジャックスと提携し今夏にも専用クレジットカードを発行、国内外の主要ETF(上場投資信託)を対象とする運用サービスを始める。

 専用カードはインヴァストに口座を開設した人を対象に発行、カードで買い物をすると利用額の1%のポイントがたまる。ポイントは毎月キャッシュバックされ、インヴァストの口座へ現金で入る。

 利用者は事前にリスク許容度を選んでおき、口座残高が最低投資単位以上になると自動的にETFによる運用が始まる。「カードを使うだけで、特別な操作をせずに積み立て投資ができる」(鶴見豪取締役)

 実際にはETFの現物を保有するのではなく、差金決済取引(CFD)で運用される。利用者はETFの分配金相当額がもらえる半面、株の信用取引のように金利に当たるコストが引かれる。一定以上の利益が出ると確定申告が必要になることにも注意が必要だ。

 今夏には楽天証券も「楽天スーパーポイント」を使って投信の購入ができるようにする予定。ポイントを「資産」と見立てて運用できるサービスが広がれば、ポイントはいっそう現金に近い存在になりそうだ。

[日本経済新聞朝刊2017年5月27日付]

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL