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香りウォークマン、物探しタグ ネット参加型でヒット

日経トレンディ

2017/5/30

日経トレンディ

消費者に支援を募るクラウドファンディング。ここ数年は、家電メーカーが製品開発に活用する動きが加速中だ。用途が限定されるニッチなモノが主流だが、2017年上半期は次世代のスタンダードになり得るクラウドファンディング発ヒットが続々と生まれた。その代表格が、“香りのウォークマン"と称されるソニーの「AROMASTIC」だ。

「香り」を持ち歩ける新発想ギア

■「香り」を持ち歩く新文化を創造

携帯型のアロマディフューザーで、ウォークマンが音楽を携帯する文化を生んだように、香りを持ち歩いて楽しむ新たなスタイルを提案。15年11月に同社のクラウドファンディングサイトで支援を募ったところ、1000万円という野心的な目標額にもかかわらず2カ月足らずで達成。一般発売後も計画をしのぐ勢いで売れている。

革新的なのは、1本で5つの香りを楽しめること。本体先端部に専用カートリッジをセットして側面のボタンを押すと、空気の流れに乗って香りが吹き出す仕組み。カートリッジには5種類の香りが封入され、ダイヤルを回すだけで瞬時に香りを切り替えられる。

カートリッジ1つで5種類の香りを楽しめる

また、噴出量を絶妙にコントロールし、すぐに香りが消えるのも斬新。電車内やオフィスなど、周囲に気兼ねせずどこででも使える。「アロマの需要は女性中心だと考えていたが、企画・開発を進めていくうちに意外に男性にも受けることがわかった」と、開発した新規事業創出部OE事業室の藤田修二氏は驚く。コーヒーやタブレット菓子の代わりにリフレッシュ用に使う男性も多く、アロマ市場の裾野を広げた。

■販路拡大で忘れ物防止タグが急伸

忘れ物や落とし物を簡単に探し出せるIoTタグも、クラウドファンディングを経て17年に一般化した。市場をけん引する「MAMORIO」(MAMORIO)は、利用者同士で落とし物を探し合える機能を備えるのが特徴で、15年末に一般販売を開始。今年に入って家電量販店や百貨店に大々的に並び始め、劇的に広がりつつある。3月時点の累計出荷数は、16年1月の100倍以上になるほど急伸した。

東急線渋谷駅の忘れ物受付所にアンテナを設置。タグが届くと自動で持ち主に通知

■異端メーカー参入で市場活性化

上半期は、炊飯器市場に2つの新風が現れてブレイクした。愛知ドビーの「バーミキュラ ライスポット」は、鋳物ホーロー鍋とIH調理器がセットになった炊飯調理器。16年11月に先行予約が開始され、僅か3カ月で2万台を受注した。一方、17年1月にはバルミューダも「BALMUDA The Gohan」を発表して参入。「蒸気で炊く」という新機軸を打ち出し、計画をしのぐ好調な売れ行きを見せた。

ホーロー鍋ブランド「バーミキュラ」の炊飯器。無水調理器としても使える
バルミューダの新型炊飯器は、内釡と外釡の間に水を入れ、スチームで炊き上げるのが特徴

■革新的な入力機能に脚光、3カ月以上も入手困難続く

レノボジャパンの「YOGA BOOK」は画面が360度回転する2in1タブレット。タッチキーボードとペンタブレット機能を併せ持つ「クリエイトパッド」を備える。16年10月に発売されると、3カ月以上も入手困難な状態が続く人気に。17年3月の1kg未満のノートPC販売台数ランキングでは首位に立った(BCN調べ)。

手書き入力に加えキー入力にも対応。近未来的ギアがトップシェアに

■ブレイク候補もクラウドファンディングから

クラウドファンディング発の、これから“化ける”原石もある。じゅうたんにこぼしたコーヒーなどの汚れを掃除機で“水洗い”できる、世界初の掃除機用クリーナーヘッド「スイトル」(シリウス)だ。掃除機のホース部に接続して使うもので、水を噴射しながら同時に吸引も行う画期的な仕組み。16年10月にクラウドファンディングを開始すると、支援が殺到。目標の10倍以上となる1165万円超を集めた。テレビ通販やホームセンターなどでも販売が始まる見込みで、ブレイク間近だ。

コーヒーやラーメンのシミも瞬時に取り除く。使用後はタンク内の汚水を捨てるだけ

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