海外新卒を獲得 年収1000万円超のグーグルと競うワークスアプリケーションズの牧野CEO

ファーストキャリアの目的は日本と海外で大きく違います。外国人の場合、若いときに重要なのは、会社の格でも業種でもなく、報酬以上に自分の能力をどれだけ伸ばせるかです。「それを実現できるなら大企業より町工場のほうがいい」という人の割合が日本人よりも多い。彼らにとって入社はゴールではなく、トレーニングジムに通うようなものなのです。10年たってスキルが身に付いたとき、さらに10年同じ会社で働くかどうか、改めて判断するのです。

海外採用、実績が決め手

アジア圏の学生を採用するには、実績が大きなポイントです。インドでは大学の就職課が非常に強いのです。インドには、米マサチューセッツ工科大(MIT)に並ぶ、最難関の理科系大学であるインド工科大(IIT)、国立工科大(NIT)はじめ、さまざまな大学があります。IITやNITのようなトップ30~50校の学生は、米グーグルやフェイスブックをはじめとする他社との競争が厳しいのですが、16年は50人ほど採用できました。

牧野氏は「海外の学生は、自分の能力をどれだけ伸ばせるかを考えて会社を選ぶ」と話す

IITには、採用実績などの条件を満たした企業を「ドリームカンパニー」と呼び、他社より早く採用活動を始める権利を与える制度があります。ここでは給与や入社後の活躍ぶりも重要な指標です。日本の新卒の年俸なんて持っていっても絶対に採用できない。日本の企業がここに入れないのは、そもそも新卒の給与をそこまで上げられないからです。

「海外の優秀な学生だけは初任給50万円にします」というのは、日本の人事制度上難しい。むしろ現地採用だからこそ「インドだったら初任給は5万円」という感覚ではないでしょうか。世間では、グーグルやフェイスブックは「新卒でも年収が1000万円を超える」といいますが、それはシリコンバレーで働くのが絶対条件で、しかも対象は数人です。残りは普通の報酬です。といっても非常に高いのは確かですが……。

中国では、社員が大学で採用活動をしています。北京大では社員が教授として日本文化企業論を教えています。北京大や清華大、上海交通大といったトップ校は、教授の横のつながりもあるので、学生を紹介してもらうこともあります。

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