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映画も公開 教皇フランシスコの魅力とバチカン改革「庶民派教皇が挑む バチカン大改造」ダイジェスト

2017/6/2

ナショジオスペシャル

水曜日の朝の一般謁見で信徒を抱擁する教皇。(Photo by Dave Yoder/National Geographic)

世界中に12億人以上の信徒を抱えるカトリック教会は近年、徹底的な改革を進めてきた。その旗振り役が現在の教皇フランシスコだ。

2013年3月に第266代ローマ教皇に就任したフランシスコは、すぐさま行動に出た。バチカン銀行の金融不祥事、教皇庁を堕落させた欲深な官僚たち、バチカン上層部の児童性的虐待などが次々と明るみに出るなか、キリスト教徒全体の信頼を失いかねない危機に対して、期待通りの大変革を進めている。

そんな教皇フランシスコの半生を描く映画『ローマ法王になる日まで』が17年6月3日から公開される。イタリア移民の子としてアルゼンチンで生まれたホルヘ・マリオ・ベルゴリオが、神に仕えることを決意してイエズス会に入会し、さまざまな困難を乗り越えながら教皇に選出されるまでを、事実に基づき再現した映画だ。

この教皇フランシスコの半生、そしてバチカン改革については、NIKKEI STYLEの「ナショジオ」チャンネルでも紹介した。ここで改めて、その連載記事を振り返ってみよう。映画を観る前、また観た後にチェックすると、教皇フランシスコについてより深い理解が得られるはずだ。

(1)突然の教皇選出とすぐに始まった改革

歓喜に沸く群衆のなかを、オープンカー型の教皇専用車で通り抜ける。(Photo by Dave Yoder/National Geographic)

「すぐにでも変革を起こしたい」――。2013年5月下旬のある朝、教皇フランシスコは友人たちにこう話したという。偽善としか言えないようなカトリック教会の諸問題に対し、新教皇は思い切った改革が必要だと考えた。2014年12月には、「虚飾」「陰口」「拝金主義」といった“病魔”にとりつかれていると、教皇庁を痛烈に批判。聖職者による児童性的虐待などの不祥事に対して、矢継ぎ早に策を講じていく。【記事「突然の教皇選出とすぐに始まった改革」を読む】

(2)若き日の教皇フランシスコ

2014年の降誕祭メッセージと祝福を伝える教皇。(Photo by Dave Yoder/National Geographic)

ホルヘ・マリオ・ベルゴリオは、1936年にイタリア移民の子としてアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに生まれた。一家は、つましいながらも平穏な暮らしをしていた。ベルゴリオがイエズス会への入会を決めたのは21歳のとき。マクシモ・デ・サン・ホセ神学院で哲学を学び始めたベルゴリオは、次第に天性の指導者ぶりを発揮し始める。当時の恩師スカノーネは、ベルゴリオには人の心を読み取る深い洞察力と政治的な仲裁能力があったと指摘する。【記事「若き日の教皇フランシスコ」を読む】

(3)バチカン、人々を魅了する三つの力

バチカンで礼拝用式服を着てミサを捧げる教皇。(Photo by Dave Yoder/National Geographic)

2000年の歴史が刻まれたバチカンは、物心ともにキリスト教世界の基盤だ。ローマ中央部の、城壁に囲まれたわずか0.44平方キロメートルのこの場所は、14世紀以降カトリック信仰の中心地であった。そこには数々の観光名所が存在するが、何よりも人々をひきつけてやまないものが三つある。一つはサンピエトロ大聖堂、もう一つは大聖堂の隣にあるバチカン美術館、そして最後は教皇その人である。【記事「バチカン、人々を魅了する三つの力」を読む】

(4)「説教よりも心に響く」フランシスコ教皇の姿勢

サンピエトロ広場で巡礼者に囲まれるフランシスコ教皇。(Photo by Dave Yoder/National Geographic)

新教皇が人々との触れ合い、とりわけ障害者との触れ合いに重きを置いている姿勢を例示するエピソードがある。教皇がイタリア南部を車で移動していた時のことだ。「教皇様をお待ちしている天使に会ってやって下さい」というメッセージを見つけた教皇は、車を停めさせる。そこには、補助器具なしには自力呼吸ができないという若い娘ロベルタの姿があった。教皇はロベルタにキスをすると、彼女のために祈った。その場にいた一人はフェイスブックにこう書きこんだ。「説教よりもずっと心に響く、人としての姿勢がそこにあった」【記事「説教よりも心に響く」フランシスコ教皇の姿勢」を読む】

ローマ法王になる日まで』 
 2017年6月3日(土)から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー 
配給:シンカ/ミモザフィルムズ 
(C)TAODUE SRL 2015

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

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