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「魔法の布」の可能性さぐる ふろしきの「むす美」 ふろしき×innovation

2017/5/25

山田繊維 開発部 リーダー 河村健介さん

河村健介さん

商品開発全般を担当する。デザイナーとして自ら商品を手がけることもあるが、「ほかのデザイナーや図案家と協業して商品を作り上げていくのが仕事」だ。

大学ではプロダクトデザインを専攻。キャラクター雑貨メーカーでグッズのデザインや商品企画を手がけた後、ワーキングホリデーを利用して海外へ。現地で貿易やインターネット関連の仕事に携わり帰国後、山田繊維に入社した。

なぜふろしき専業メーカーを選んだのか――。キャラクターグッズにたずさわっていた当時、その商品寿命の短さと、コストの安さを求めて海外で商品をつくっていることが「嫌だなあと思っていた」。日本で「和」の商品をつくりたい、と考えていたそんなとき、好きなブランド「ミナ ペルホネン」とも協業している山田繊維の募集を知り、「自分の条件にあっているのではないか」と応募したのだという。

ふろしきを産業としていかに存続させるか

日本の文化であるふろしきを産業として継続させることも、「数少ない専業メーカーの仕事」と考える。「今の人にふろしきを『伝える』という側面と、『広げる』という側面を頭に置きながら商品開発をしている」と話す。そのための作戦のひとつが、人気アーティストたちとのコラボだ。

「この人だったら面白い作品ができるのでは」「このタッチだったら取引先にも受け入れられるのでは」――。そんなことを考えながら、コラボを企画しているという。「コラボでアーティストのファンにふろしきを知ってもらい、より間口を広げたい」と期待する。当然、著名アーティストのデザインといえども自分たちで検証する。「使ったときにどういうふうに見えるか、という視点から修正を入れてもらうこともあります」

■ワインを包んで、ふろしきごとプレゼント

「ふろしきは『どうとでも使える』『何にでもなる』というのが一番いいところ。なのでお客さまに、包んだり、バッグにしたり、ブランケットにしたり、ストールにしたり、部屋に飾ったり、自由に使ってもらえるのがうれしい」。おすすめの使い方は、ふろしきでワインをラッピングして、そのままプレゼントするというもの。「ふつうの包装や紙袋よりも感動が大きいようで、すごく喜ばれる。相手もふろしきに興味を持ってくれるので、友人宅を訪ねる際によくやっている」という。

これからの課題は「新しい需要をいかに生み出すか」だ。今のライフスタイルにあったデザインはもちろん、さらに広げて海外の人に使ってもらうことをめざす。「やはり産業として持続させるためには、使ってくれる人が増えないといけない。そのためにどういうデザインがいいかのか、どういう商品開発がいいのか、考えていきたい」

(平片均也)

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