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「魔法の布」の可能性さぐる ふろしきの「むす美」 ふろしき×innovation

2017/5/25

「ふろしきは日本の伝統文化の一つ。いまや生活必需品ではないが、大事な文化だからこそ、使ってもらうにはどうしたらいいのかと考え、今のライフスタイルに合うようにデザインを変えてきた」。これまでの取り組みをこう振り返る。

山田さんはふろしきを「魔法の布」と呼ぶ。「広げてみればただの一枚の布。その一枚に魅力がなかったら、手にとってもらえない。非常にシンプルなだけに難しい商品だ。だからこそ仕事として非常にやりがいがある」

型染めユニット「kata kata」 松永武さん 高井知絵さん

松永武さん(左)と高井知絵さん

むす美とのコラボで、ゴリラやワニなどをモチーフに、ふろしきを作成した。2人はともに東京造形大学でテキスタイルを学び、在学中に「kata kata(カタカタ)」を立ち上げた。「型染め」は日本の伝統的な染色技法で、下絵から型紙づくり、染色などを経て、仕上がるまでには多くの工程が必要。その工程ごとに「独特の線が出たり、雰囲気が出るのが面白い」(松永さん)という。

ふろしきといえば、包んで、結んで、運んで、というのが本来の使い方。しかし、カタカタが提案するのは、インテリアとして壁に飾ったり、テーブルクロスにしたり、広げたままでも使ってもらえることをも意識したデザインだ。

カタカタは動物や植物をテーマにした作品が特徴。むす美とのコラボでは、大きいもので約104センチメートルのふろしきいっぱいに、鯨や熊を色鮮やかに描いた。

■広げたときに驚きと楽しさを

松永さんは「こうした大きい絵を描くことはめったにないので、すごく楽しかったです」と制作を振り返る。自分自身も「とても便利」と日ごろからふろしきを使っているものの、「一般的ではない」と感じていた。そこで、デザインにあたっては、「広げたときに驚きや、楽しさを感じられるような絵柄を意識して制作した」という。

高井さんは「包んだときに思いがけない見え方がするように、ワンポイントを入れました」と話す。例えば、お弁当箱を包むと、結んだ端に鳥の図柄が現れる。「絵柄に自然に入り込んでいるデザインなのですが、包んだときにそれが効果的に生きるように考えました」

コラボを通じて2人はふろしきの可能性を感じているようだ。松永さんは「新しい表現方法として使ってもらえるようなデザインを心がけていきたい」と語る。高井さんは「まずは手にとってもらうことが一番なので、キャッチーなモチーフを心がけています。とにかく手にとってもらい、よさが伝わればいいなと思っています」と話した。

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