キヤノンのミラーレス新機種 小型軽量で画質妥協なし
三井公一の最新デジカメ撮って出し
キヤノンのミラーレス一眼「EOS M」シリーズにニューフェースが加わった。2017年4月20日に登場した「EOS M6」は、ハイエンドモデル「EOS M5」の弟分にあたるカメラだ。ビギナーもターゲットにした売れ筋モデルながら、EOS M5と同等のスペックを持つ欲張りな1台に仕上げられていた。
基本性能は上位機種「EOS M5」と同じ
前述の通り、基本スペックはEOS M5とほぼ同等だ。約2420万画素のAPS-C型CMOSセンサーは高速オートフォーカスが可能なデュアルピクセルCMOS AFに対応し、画像処理エンジンも最新のDIGIC 7をおごる。ISO25600までの常用感度や最高約9.0コマ/秒の高速連写など、撮影性能もまったく同じだ。
M5と大きく違うのは、内蔵EVFを持たない点にある。これによりボディーがコンパクトになり、重量もEOS M5の427g(メモリーカード、バッテリー含む)に対して390g(同)と少し軽量化された。
操作性もしっかり向上
シルエットは旧モデルの「EOS M3」とよく似ているが、ダイヤルなどの操作系はしっかり改良されている。露出補正ダイヤルが上方向に突出して扱いやすくなったほか、露出補正ダイヤルの同軸にサブ電子ダイヤルが新たに設けられ、使い勝手が向上した。背面のチルト式液晶も変化している。EOS M5は、自分撮りの際に液晶モニターを下方に動かしたが、M6は上方にチルトできるようになったので、レンズに対してより自然な視線でセルフィーを撮ることが可能になった。ただ、外付けEVF「EVF-DC2」を装着した場合は液晶モニターを跳ね上げてのセルフィーができなくなるのが悩ましい。
価格が下がってきたEOS M5が最大のライバルといえるか
撮影はEOS M5と同様に快適で、特にデュアルピクセル CMOS AFがもたらす高速かつ正確なピント合わせが楽しかった。上位機種のいいとこ取りをしながら軽量コンパクトに仕上げた点は評価できる。背面液晶を見ながらの撮影スタイルに慣れている人には最適な1台といえるだろう。ただ、EVF内蔵のEOS M5は発売から時間がたって価格が下落しており、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMが付属するキットはEOS M6もEOS M5も実売価格が約13万円でほぼ横並びとなっている。購入時には、両者を比較検討することを薦めたい。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
[日経トレンディネット 2017年5月10日付の記事を再構成]
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