魚介料理「ボマニャニャ」。左がトウモロコシの蒸しパン、アボロ

「これには、ご飯や『アボロ』というトウモロコシの蒸しパンを合わせるのがお薦め」とカマロさん。出してくれたアボロを食べてみた。もっちりとした蒸しパンで、ほんのり甘く、これだけでおやつにしたい味。

アボロには、オクラのソース「フェトゥリデシ」を使った料理も合うという。店で出していたオクラソース料理は、揚げ魚と海老、カニをこれに合わせた、やはり魚介のだしが効いた一品。ねっとりとした刻みオクラがたっぷり入った魚介だしの淡白な味わいで、ご飯にかけてもおいしそうだ。

オクラのソース、フェトゥリデシを使った魚介料理

聞けば、トーゴでは現地ならではの「ある肉」をこうしたソースで調理したものもポピュラーだという。その肉とは「アグチ」。大型の野ネズミだ。鶏肉などより値段も張る「高級食材」らしい。「開いて燻製焼きのようになったものをよく売っているんですよ」とカマロさん。

このアグチ、トーゴ人スタッフには人気で、日本で食べられない大好きな故郷の味を聞くと、真っ先に出てきたのはこのアグチだった。一緒に食べる主食はフフが定番。「僕は頭の部分が一番好き。フンもおいしいんだよ!」というスタッフの言葉に思わず目を白黒させてしまった。

ソースを使った料理以外の人気料理がないかと聞いてみると、カマロさんは「アグルーザ・ダボドラフォ」という骨付ローストポークを教えてくれた。好みで主食を選ぶほかの料理とは違い、これはキャッサバを練って作る「ピノ」と呼ばれる主食と一緒に食べるものだという。

骨付ローストポーク。右奥に見えるのがキャッサバから作ったピノ

実は、未知の食べ物であったほかの料理に比べ「なんとなく料理の味のイメージが浮かぶなぁ」と思っていたのだが、食べてみてびっくり。これは絶対リピートしたい!というおいしさだったのだ。

一見硬めの蒸しもののように見えた“伏兵”ピノに心をつかまれた。運ばれてきた料理を食べてみようと、スプーンで崩しにかかったところ思いもかけない弾力があり、想像よりずっと軟らかかったのだ。

さらに口に入れてみると酸味が効いていて、これだけでもおいしく食べられる。酸味はキャッサバからくるもので、この酸味が香ばしい焦げ目がついた骨付ローストポークにぴったり。この店のピノにはトマトも混ぜられ、これまた食欲をそそる。今夏はトーゴビールと一緒にこの料理をまた楽しもう、と心に決めたのだった。

(フリーライター メレンダ千春)

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