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トーゴ料理、ビール進む味付け アフリカで「餅つき」

2017/5/25

 「アフリカ料理って、スパイシーとか辛いとかいうイメージがあるでしょう? でも、トーゴ料理って意外や日本人に馴染みのいい料理なんです」。開口一番、そう太鼓判を押したのはカマロ由加里さん。西アフリカの小国トーゴ料理の店「エコ ロロニョン」を、トーゴ人シェフのご主人と共に営む。「素材の味を生かした煮込みなどがあって、日本で刻んだ青ネギを載せるみたいな感覚で、料理には、よく赤タマネギのスライスをトッピングするんですよ」。

 トーゴは、北海道の7割程度の面積で、かつてドイツやフランスの統治下にあり食文化が発達していると聞いた。日本には、アフリカ料理をうたう店はあっても、アフリカの特定の国の料理を看板とした店は珍しい。あるイベントに出ていたことで同店を知り、東京・赤坂の店に出向いたというわけだ。

屋外の席があるトーゴのレストラン

 海に面したトーゴは魚料理も豊富。メニューには、カニや海老を使った煮込み料理などがあり目を引かれた。現地でもポピュラーな食材らしい。しかし、どれも初めて見る料理名ばかりで想像が追い付かない。

 カマロさんにトーゴ料理の特徴を聞くと、「これは、“アジデシ”を使った料理で、これは“グシデシ”で……」と呪文のような言葉が飛び出した。実は“デシ”というのはソースのことで、トーゴにはポピュラーなソースがいくつかあり、それと食材を合わせ料理に仕立てるのだ。

グシデシを使った鶏肉の煮込み

 アジデシは、ピーナッツを使ったソース、グシデシはグシというウリ科の植物の種を使ったソース。ナッツのような風味があるという。「どんな植物なんですか」と聞くと、トーゴ人スタッフ曰く「種が取れる実はメロンにそっくり。でも、果肉は食べられない“ゴミ”。種しか食べないんだ」。

 人気のソースには、現地でポピュラーな食材であるオクラやモロヘイヤを使ったものもあるという。「一つのソースで食べるだけじゃなくて、例えばオクラとナッツのソースを合わせたりもするんです」とカマロさん。

 彼女自身が現地で食べて特に好きだった料理を聞くと、「グシデシがとてもおいしくて。肉の串焼きにかけて食べたりするのがポピュラーですね。トーゴは暑いので、夕方屋外でビールを飲みながらつまみに串焼きを食べるというのがよく見かける風景。男性だけじゃなく女性もお酒を飲みます」。

ランチョンミートのような牛肉の串焼き。上にかかるのはトーゴのバーベキュースパイス

 トーゴには国産ビールもある。気候から日本のビールよりさっぱりフルーティーな味わいだという。お店で扱っているトーゴビールのひとつを味見させてもらうと、淡い黄金色ですっきりと飲める。夏の盛りにぐっと一杯やりたいタイプの味だ。

 「ビールだけじゃなく、『ソダビ』というヤシ酒もポピュラーですね。実ではなく樹液を発酵させて作ったものです。普通の家で作っていて大きなペットボトルに入れ道端で売っているんです。いい香りがして少し甘い無色透明のお酒なんですが、口当たりがいいのに結構アルコール度数が高くて“危険”なんですよ」。瓶詰され製品化されたようなソダビはないため、日本では飲めないらしく残念。

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