『美しい星』吉田監督 三島由紀夫唯一のSFを映画化

日経エンタテインメント!

『帝一の國』(公開中)の永井聡監督、『東京喰種トーキョーグール』(7月29日公開)の萩原健太郎監督など、映画界で注目度を高めつつあるCM界出身の映画監督。その先陣を切る吉田大八監督の新作が、『美しい星』(5月26日公開)だ。吉田監督に、監督になった経緯と新作について、話を聞いた。

(c)2017「美しい星」製作委員会

2012年『桐島、部活やめるってよ』で第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞ほか数々の賞を受賞し、日本映画界に新風を巻き起こした吉田大八監督実はCMディレクターからの「転身組」。意外にも、「自ら映画を企画し、周りを巻き込んだ」のがきっかけだったと言う。

1963年、鹿児島県出身。CMディレクターとして数々の賞を受賞した後、07年、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で長編映画デビュー。13年公開で映画賞を総なめした『桐島、部活やめるってよ』が異例のロングランに。18年『羊の木』が公開予定(写真:辺見真也)

「大学時代、自主映画を撮っていたんです。でも、映画を仕事にするなんて考えてもいなかった。自分の作品が『ぴあフィルムフェスティバル』で注目されたわけでもなかったし(笑)。たしか大手の映画会社にも求人はなかったような気がするし、とにかく自分の興味と関係のある仕事につければよかった。それで、コマーシャルが面白そうな気がして、CM制作会社に入社しました。

CMディレクターとして仕事をしながら、CMの関係者から声をかけてもらって、単発の深夜ドラマや30分くらいの短編を数本作りました。ちょうど2000年代の前半、ブロードバンドという言葉が出てきた頃です。普段15秒や30秒のCMばかり作っている時に久しぶりに長いものをやってみると、ずっと動かしてなかった筋肉を動かしたような新鮮な気持ちになりました。

長編1作目の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07年)は、原作小説をたまたま読んだ時に、これはすぐに映画に出来ると思っていたんです。ちょうどその頃、撮影するはずだったCMが制作中止になって、2週間ほど体が空いた。それで、シナリオを書いたんです。あそこで2週間体が空いてなかったら、僕は映画監督にはなっていなかったかも知れません(笑)」

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