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謎の人類ホモ・ナレディ 現生人類と同時期に生きたか

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/5/27

ナショナルジオグラフィック日本版

南アフリカのライジング・スター洞窟で見つかった頭骨を基に復元したホモ・ナレディ。古生物復元模型作家のジョン・ガーチー氏が作成。(PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN, NATIONAL GEOGRAPHIC)

謎の人類ホモ・ナレディが人類進化の系統樹に加えられてから1年半。南アフリカで発掘調査に携わっていた研究チームが新たな分析結果を発表した。発見された当初は、奇妙に原始的な体の特徴からかなり古い時代の人類と考えられていたのだが、実はそれよりもはるかに新しく、初期のホモ・サピエンスと同じ時代に生きていた可能性があるというのだ。

ホモ・ナレディが初めて発見されたのは、2013年のことだった。ヨハネスブルクにあるライジング・スター洞窟の中で、2人の洞窟探検家が大量の骨の化石に行き当たった。アフリカ大陸で、これほどの量の化石が1カ所から発見されたのは、他に例がない。回収して調べてみるとそれらは、脳が小さく、肩と胴は類人猿のようで、別の部分は人間とほぼ変わりない特徴を持つ未知の初期人類の骨であることがわかった。新たな種は、ホモ・ナレディと名付けられた。ナレディとは、現地の言語ソト語で星という意味である。(参考記事:「謎の人類ホモ・ナレディ、手足は極めて異例だった」)

そのホモ・ナレディに関する最新の論文が、2017年5月9日付の科学ジャーナル「eLife」に発表された。その中で、南アフリカにあるウィットウォーターズランド大学の古人類学者でナショナル ジオグラフィック協会付きエクスプローラーでもあるリー・バーガー氏率いるチームは、発見されたホモ・ナレディの年代を33万5000~23万6000年前の間と特定した。また、ライジング・スター洞窟に第2の空間が見つかり、そこからさらに年代不明のホモ・ナレディの骨が見つかったと報告した。

(JASON TREAT, NGM STAFF. SOURCE: LEE BERGER, UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND (WITS); JOHN HAWKS, UNIVERSITY OF WISCONSIN-MADISON.)

この年代が正しければ、我々現生人類の祖先である脳の大きな種が進化する一方で、小さな脳を持つ別の人類が存在していたことを意味する。その祖先は、恐らく200万年前、またはそれ以前から続いてきた系統かもしれない。また、化石の年代は中期旧石器時代の初期にも重なっており、そこからさらに論争の火種になりそうな仮説も浮上する。つまり、南アフリカで出土しているこの時代の石器は、現生人類だけの手によるものではないかもしれないという説だ。

■年代を絞り込む

ホモ・ナレディの存在が初めて公表された2015年当時、まだいくつか不明な点が残されていた。他のヒト属(ホモ属)とどう関係しているのか。体の特徴が示す通り、「ヒト属のルーツ」として系統樹の根元部分に書き加えてよいものなのか。そして、発見された化石の年代もまだ特定されていなかった。

そこで、まず年代を調べるため、骨の一部を覆っていた石灰の層である流華石(フローストーン)の放射性炭素年代測定を行った。すると、2つの別々の研究室が同じように流華石の年代を約23万6000年前と測定した。ということは、その下に横たわっていたホモ・ナレディの骨はそれよりも古いということになる。

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