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スマホで運転特性計測 「テレマティクス」自動車保険 安全運転すれば保険料下がる

2017/5/23

PIXTA

 「テレマティクス」と呼ばれる技術を活用した自動車保険が相次いでいると聞きました。これまでの自動車保険とどのような点が違うのでしょうか。

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 テレマティクスは「テレコミュニケーション」(通信)と「インフォマティクス」(情報工学)の造語だ。実際の走行距離や、運転中の急ブレーキや急加速、急ハンドルなどの運転特性を計測する。計測にはスマートフォン(スマホ)やタブレット端末、ドライブレコーダーなどを使う。

 テレマティクスを活用した自動車保険の主流は、診断した運転特性に応じて保険料を割り引いたり現金還元したりするタイプ。損害保険ジャパン日本興亜が2017年中、あいおいニッセイ同和損害保険が17年度下期以降に発売を予定している。20段階ある自動車保険の「等級制度」と組み合わせ、安全運転をすればさらに保険料が下がる。

 損保ジャパン日本興亜の新商品は新規契約の自動車が対象。同社が提供するスマホ向けカーナビアプリ「ポータブルスマイリングロード」で一定期間、運転特性を測定し、結果を基に1年分の保険料を割り引く。詳細は今後詰めるが、「最大20%程度の割り引きを検討している」(リテール商品業務部の森慶一郎氏)。

 あいおいニッセイ同和損保は運転特性や走行距離などに応じて毎月の割引率が変わるのが特徴。「毎月反映することで安全運転の意識を維持できる」(商品企画部の梅田傑氏)。対象は運転データが取得できる車種で、保険料は年2万キロメートルを走行した場合、最大で20%の差が付くという。

 運転特性に応じて保険料が安くなる自動車保険は、ソニー損害保険が15年2月に始めた「やさしい運転キャッシュバック型」が先行。現在は通信機能のない端末で計測し、後から保険料を還元しているが、今春からヤフーのスマホ向けカーナビアプリでデータを計測し、保険料に連動させる共同研究を本格的に始めた。

 テレマティクスは保険料以外にも活用できる。東京海上日動火災保険は4月から、事故発生時に自動連絡するサービスを加入者に対して提供し始めた。特約保険料は月650円だ。

 専用ドライブレコーダーを自動車に設置、強い衝撃を検知すると現在地や事故時の映像などを専用窓口に自動送信する。窓口から消防などに連絡してもらえるほか、ドライブレコーダーで音声通話もできる。危険運転を警告したり、運転診断したりする機能もある。

 安全運転を支援するサービスは損保ジャパン日本興亜が4月に始めたほか、セゾン自動車火災保険も7月に予定している。まずは、現在加入している自動車保険の付帯サービスを調べてみよう。

[日本経済新聞朝刊2017年5月20日付]

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