アナウンサーでは、相変わらず水卜麻美の人気が高い。オリコンの「好きな女性アナウンサーランキング」では4年連続1位となり、勢いは衰えず、76位から37位へとランクアップした。
また、これまでは100位圏外だった芸歴約15年クラスの30代俳優・綾野剛、桐谷健太が、48位と49位に入った。綾野は『日本で一番悪い奴ら』など5タイトルの映画に、桐谷は連ドラ『カインとアベル』などに出演した。この2人に共通しているのは、綾野はNTTドコモ、桐谷はauと、好感度が高く、ストーリー展開も楽しい通信会社のCMに出演していること。実力派俳優に親しみやすさが加わったことがプラスに働いた。
お笑い界の新顔が初登場で滑り込み
51位から100位では、54位に出川哲朗、60位にイモトアヤコと、『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)の出演者が存在感を示した。17年2月に「珍獣ハンターイモト」が100カ国目を達成した回で、視聴率22.2%を獲得。ここでイモトの関心度がアップした。
山田孝之も、161位から56位へと大きく上昇。赤西仁とのユニットでのCDデビューや、フェイクドキュメンタリードラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』など、独自路線の活動が話題となった。
最も飛躍したのは菅田将暉。360位から一気に順位を上げて57位に入った。16年は9本の映画と2本の連ドラ、8本のCMに出演し、多方面で出ずっぱりの1年に。5月に『ダウンタウンなう』(フジ系)に登場したときは、憧れのダウンタウンを前に手紙を読んで号泣し、意外な素顔をさらした。
今回の調査ではお笑い界の新顔もランクイン。15年の『M‐1グランプリ』をきっかけに、16年にバラエティ番組にひっぱりだこになったトレンディエンジェルの斎藤司と、メイプル超合金のカズレーザーが、個人で95位と97位に初登場。彗星(すいせい)のごとく現れたピコ太郎も100位に滑り込んだ。
[調査概要]アーキテクト「タレントパワーランキング」調査(アーキテクト/http://www.talentsearch.jp/)からデータを入手[調査方法]FAX調査[実施時期]年4回(2月・5月・8月・11月)[調査地域]東京・千葉・埼玉・神奈川[調査対象]タレントを一部入れ替えながら毎回約1200組を調査[調査回答者]アーキテクトの登録モニターより4400人を抽出(調査タレントを4グループに分割。10歳から59歳まで5歳きざみで男女それぞれ50人を抽出。60代は男女それぞれ50人抽出)。
●タレントに関する質問項目
A.各タレントの認知について、次の3段階からひとつ選択してもらった。
(1)名前も顔も知っている(2)名前は知っているが、顔は思い浮かばない(3)このタレントを知らない
B.設問「A」で「(1)名前も顔も知っている」と回答したタレントに対して、「そのタレントがテレビ・映画・雑誌・DVDなどに出ていると関心があるか(見たい・聴きたい・知りたい)」を、次の4段階からひとつ選択してもらった。
(1)とても見たい・聴きたい・知りたい(2)見たい・聴きたい・知りたい(3)見たくない・聴きたくない・知りたくない(4)まったく見たくない・聴きたくない・知りたくない
●認知度、関心度、タレントパワースコアの算出方法
認知度:質問Aで、「(1)名前も顔も知っている」と回答した人の割合(%)。
関心度:質問Bで、「(1)とても見たい・聴きたい・知りたい」か「(2)見たい・聴きたい・知りたい」と回答した人の合計値(%)。算出母数は質問Aで「(1)名前も顔も知っている」と回答した人の数。
タレントパワースコア:「認知度」と「関心度」を掛け合わせた値。そのタレントに、どれだけの人たちが引きつけられているか、「人気度」を示す指数。タレントが人々を引きつける力(=タレントパワー)の指標とした。具体的には、「認知度」に「関心度」の加重ポイント(「(1)とても見たい・聴きたい・知りたい」に「(2)見たい・聴きたい・知りたい」の1/3を加えた合計値)を乗じて算出した。
※上記方法で算出した2017年2月時点でのデータを2017年版としている。タレントパワースコアは小数点第2位で四捨五入。順位は小数点第2位以下も含めてつけた。
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2017年6月号の記事を再構成]