歩くたびに熱気や湿気を放出 通気性で買う本革靴3選
特集 足元から涼しく! 今から買いたい「夏靴」たち(前編)
夏の日差しすら感じるきょうこのごろ、ビジネスシューズを買い替えるなら「通気性」に目を向けたい。通気性のあるシューズは涼しく、靴内部の蒸れを軽減できるため臭いも抑えることができる。今の時期はもちろん、夏本番まで快適に過ごせるはずだ。今回は、そんな通気性抜群のビジネスシューズを紹介する。
夏は冬以上に機能性が求められる
炎天下の屋外、弱冷房のオフィスなど、うだるような暑さのなか集中力をキープするのはなかなか難しいもの。冬はアウターを着込めばいいが、夏はそう単純なものではない。そのため夏を快適に過ごすために、涼感を得られるスーツやシャツなどが数多く登場しているが、シューズも同様に夏は通気性のあるモデルが注目を集める。
「通気性に優れたモデルは通年ご支持をいただいていますが、夏場はより関心が高まるようです。スーツやシャツなど、より快適な新素材が注目を集めるなかで、ビジネスシューズに関してもそういった夏を快適に過ごせる機能が求められているのだと思います」(リーガルコーポレーション 業務統括部広告宣伝課 深沢順一氏)
従来の通気性ビジネスシューズは、通気性が高いゆえに雨や浸水に弱いといったデメリットがあったが、現在は一般的な革靴と変わらない性能で、かつ通気性を備えたモデルが増えている。
また近年の最新モデルは、高機能でありながらデザインがスタイリッシュな点も特徴。リーガルもベーシックなものに加え、トレンドを意識したデザインを投入するなどより多くのニーズに対応しているという。「見た目は高級感のあるデザインで、機能はしっかりと担保されているものが求められています」(深沢氏)
通常の革靴と変わらない見た目で上品に履けて、それでいて涼しく蒸れないビジネスシューズ。夏本番に備えて、気温が上昇してきた今から取り入れたい。そこで今回は通気性抜群の使えるビジネスシューズを3つ紹介する。ちなみにもともと通気性がある本革に対して、合皮は通気性が悪い。夏は本革製シューズを選ぶのが大前提となる。
リーガル/通気性とクッション性を兼ね備える
リーガルの通気性ビジネスシューズは、独自開発の「リーガル エアローテーションシステム」を搭載している。これはポンプのようなシステムがかかと部分につき、歩行から生まれるエネルギーで空気を靴内に送り込み循環させるテクノロジー。歩くたびに熱気や湿気を帯びた空気が排出されるため、靴内部は蒸れにくく快適だ。
革底の持つ通気性と、合成ゴム底の実用性を兼ね備えた機能を追求。そのひとつの回答として開発したのがこのシステムだという。それに加え、クッション性に優れた柔らかなソールを採用し、直接足にあたる靴内部の素材には透吸湿性に優れた革素材を用いるなど、通気性だけではない快適な履き心地を実現している。
デザイン面も抜かりない。フォーマルな内羽根のストレートチップに、ブローグ(穴飾り)で華やかな印象をプラス。上品でありながら遊び心を持つ、トレンド感のある仕上がりが魅力だ。
「お問い合わせも多く、店頭での販売実績も好調に推移しています。スーツなどきちんとした見た目が必要とされる職種の方に支持されており、高温多湿な夏場や、何日も続けて着用しなくてはならない出張時などにお使いいただくと、機能の高さを体感していただけると思います」(深沢氏)
ホーキンス/通気口と接触冷感素材で快適
ホーキンスのクールシリーズは、これまでに100万足以上の販売実績を誇る人気作。暑い時期の蒸れを防ぎ、多くのビジネスパーソンの夏の悩みを解消してきた。今シーズンは浸水を防ぐ新機能を追加し、さらに人気になっている。
注目すべきはアウトソールの通気口。特殊なメッシュで空気を通し、湿気を逃がしながらも底から水が入らない作りになっているのだ。通気性が非常に高く、常に快適に過ごすことができる。
また、中敷きにはテクノクールと呼ばれる接触冷感素材を使用。足を入れた瞬間ひんやりとして、快適に感じられる。
本革製で品のあるたたずまいも魅力だ。どんなスーツにも合うデザインで、通気性は抜群。そのうえ、履き口にゴア素材を採用し、ゴム製のシューレースも付属しているため着脱も容易と至れり尽くせり。配慮の行き届いたさまざまな機能が盛り込まれており、コストパフォーマンスも高く、その人気も納得できる。
「実店舗だけでなくネット通販も好調で、クールシリーズの2017年4月の販売実績は、前年同月比126%と伸長しています。購買層は幅広く、特に外回りが多い営業職の方などに支持されており、快適に過ごせるビジネスシューズとして高いニーズがあります」(エービーシー・マート 販売促進部 北沢直美氏)
チヨダ/6カ所もの通気口と軽量設計に注目
足が蒸れるというビジネスパーソンの声から生まれた、チヨダの通気性ビジネスシューズ。
アウトソールに6カ所の通気口を設け、不快な靴内の熱気を放出。さらにメッシュ状のインソールを採用することで、通気性をアップしている。インソールには抗菌防臭素材を用いるなど臭い対策にも抜かりはない。
また、ヒール部分には衝撃吸収素材"ポロン"を使用し、歩行時の負担を軽減。アッパーに丈夫な天然皮革を用いながら、片足約340g(25cm)の軽量設計など、歩きやすさにもこだわっている。
洗練された印象を受けるスタイリッシュなフォルムも見逃せない。ワイズは人気の3Eで、独自の新設計3Eラストを採用しているため、ソフトな足入れと快適な履き心地を実現している。数多くの快適機能が詰め込まれた上品な本革シューズは、高温多湿な日本の夏のビジネスシーンで大活躍するだろう。
「今年のゴールデンウイークは、前年の足数比約120%と好調な滑り出しです。外回りの多い営業職の方はもちろん、デスクワークがメインのビジネスパーソンからも支持を得ています」(チヨダ 全国商品部バイヤー 矢嶋勇氏)
前編 涼しくて蒸れない!通気性抜群のビジネス靴3選
中編 大人の休日靴!今が旬のレザースリッポン3選
後編 見た目スニーカー、通気性はサンダル 街履き新潮流
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。