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ペルーの美味は精力剤? 日本人好みの味、セビーチェ

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NIKKEI STYLE

「美食の国」としてここ数年、世界中のグルメたちから熱い視線を浴びている「ペルー」。キッカケは2011年にイギリスの飲食専門誌が毎年編纂する「世界のベストレストラン50」に突然ペルー料理のレストランがランクインしたこと。以来、ペルーはこのランキングの常連で、昨年は3店舗がランク入りした。

また、79万人を超える旅行業界関係者の投票で選出されるという「ワールド・トラベル・アワード」の「World's Leading Culinary Destination」(世界で最も美食を楽しめる国)部門で2012年に初めて最優秀賞に選ばれて以来、ずっと1位の座を独占している。

そんな注目のペルー料理の中でも最もポピュラー、かつ日本人の口に合うものといえば、「セビーチェ」だろう。これは生の(または軽くゆでた)魚介類と赤タマネギなどの野菜を、たっぷりのレモン果汁と塩、唐辛子で和え、冷やして味をなじませたもの。レモンのさわやかな酸味とピリリとした唐辛子の辛味が魚介のほのかな甘みを引き立て、シンプルながらも奥深い味わいだ。

魚介はヒラメやスズキなど白身の魚のほか、タコやイカ、エビ、ホタテ、コンチャ・ネグラ(直訳すると黒貝。フネガイ科の貝)などの貝類、ウニなども使われる。魚介が1種類のみのものもあれば、白身魚にタコやエビなど複数が入った「ceviche mixto(英語でいうところのmix)」もある。また、赤タマネギだけでなくトマトやアボカドが入ったもの、日系人が考案したしょうゆ味の「ceviche nikkei」など、バリエーションも豊富だ。

実はセビーチェは、ほかの南米・中米の国にもあるのだが、魚介類を細かくみじん切りにしてあることが多い。日本のシメサバも「外側が酢で白っぽくなっているが中は生」の状態がおいしいのであり、魚介を細かく切ってしまっては「中は生」ではなくなってしまう。

その点、ペルーのセビーチェは新鮮な生の魚介を食べごたえある刺し身サイズに切ってあるのが特徴だ。「シメサバ」的絶妙なしめ具合で、我々魚食の国の日本人も「さすが美食の国!」と拍手したくなる。

「おー、これはペルーを旅したら、セビーチェをつまみにキリリと冷やした白ワインで晩酌といきたいねぇ」。そう思う人も多いかも。実はこれが意外と難しい。

私はペルーの首都リマに住んでいた時期があるのだが、住みはじめのころタクシーの運転手に「ディナーにセビーチェ食べたいんだけど、おいしいお店知らない?」と聞いたところ「は? 夜にセビーチェ出す店なんてないよ」といわれたものだ。

ペルー人は夜にセビーチェを食べない。「セビチェリア」と呼ばれるセビーチェ専門店はランチ営業をしたらもう閉店だ。もちろん、ローカル向けでない観光客向けレストランではセビーチェを夜に出す店もある。

昔、ベトナムを旅したときに「ランチにフォー(ベトナムの平たい麺)が食べたい」と言ったら、地元の人に「フォーは朝しか食べないよ」と返されたことがあるが、ちょうどそんな感覚なのだろうか。また、イタリアの田舎のバールで夜カプチーノを頼んだら、笑われたという話も聞く。カプチーノも朝飲むものらしい。

「○○はいつ食べるもの」という習慣はどこの国にもあり、かつ、なかなか根強いものだ。セビーチェも昔は冷蔵庫がなかったからとれた魚介を朝のうちに調理して昼までに食べていたのだろう。冷蔵庫がある今もその習慣だけが残っている。

いや、「とれてから時間がたっちまった魚介なんて食えるかいっ!」的なペルー人の粋がそうさせているのかもしれない。

セビーチェのユニークな点はもう一つある。セビーチェのつけ汁というかマリネ液を「レチェ・デ・ティグレ (leche de tigre。虎の乳という意味)」といって、これだけを注文できるのである。

日本人も冬に鍋料理をやるのは「具を食べたいというよりも具のうまみが凝縮しただしを最後に楽しみたいがため」という面があるが、そんな感じだろうか。もっとも、鍋の残り汁がうまいからといってそれだけを売る店は日本では聞いたことがないが……。その名の通り乳のように白濁したマリネ液は魚介のうまみがギュっと詰まっていてウマいことこの上ない。

私もリマに住んでいるときに近所の食堂でときどきレチェ・デ・ティグレを買って飲んでいた。が、後に聞いたところ、レチェ・デ・ティグレは夜になると虎のようにガオーッとなっちゃう「精力剤」的な存在らしく、淑女はあまり買ったり飲んだりしないものとか。

買うときに店のおばちゃんがニコニコしていたのは愛想がいいのではなく、「奥さん、あんたも好きね~」みたいな意味だったのか!?  

よく滋養強壮剤のコマーシャルで「タウリン1000mg配合!」とかうたっているが、タウリンって魚介類に多く含まれるもの。レチェ・デ・ティグレもきっとタウリンが豊富に違いなく、「元気になれる」というのもあながちウソではないはずだ。

さて、最後に日本で手に入る素材で簡単なセビーチェの作り方を。

材料(全部適量)


・お好みの魚介類
・タマネギ(できれば紫、なければ白)
・アボカド、トマト、コリアンダーなどお好みの野菜
・めんつゆ
・ライム
・唐辛子

作り方


・魚介類、野菜は食べやすい大きさに切り、タマネギは薄くスライス
・ボウルに材料全部と絞ったライム汁とめんつゆと小口切りの唐辛子を入れて和える
・冷蔵庫で30分ほど冷やしてできあがり

日本のレモンはペルーのものとかなり味が違うので、ライムで代用することがポイント。元気の素、汁までグイッと飲み干しちゃって!

(ライター 柏木珠希)

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