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ニュータウンに若い世代流入 新旧交流、にぎわい生む

みなで野菜づくり、シニアから声掛け

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NIKKEI STYLE

戦後、各地で開発されたニュータウンも誕生から50年を超え、20~30代だった住民もシニアになった。活気が乏しくなるなか、4~5年前から建て替えなどで若い世代が流入。昔から住む住民と断絶する傾向もあったが、最近は積極的に世代間交流を図る動きも広がる。そうした街では、昔のにぎわいが戻っている。

 ◇    ◇    ◇

「ダンゴムシだ」。土遊びをしていた男児が丸くなった虫を得意そうに見せる。別の男児は土から抜いた野菜を見て「これ、何」と尋ね、年配の男性が「それは高菜だよ」と答える。

ここは日本初の大規模ニュータウン、千里ニュータウンの一角にある北丘小学校(大阪府豊中市)の校庭。自治会などで成る新千里北町地域自治協議会の子育てサークル部会が開く「畑のある交流サロン」だ。

3歳から80代まで

同サロンは住民の交流の場として、空き校庭を耕した畑で2年前から週2回、野菜づくりにいそしむ。メンバーは子ども8人、大人26人。3歳から80代まで幅広い。収穫した野菜でカレーや芋ごはんを作ったり、セミの羽化観察やドングリ検定などで高齢者が子どもに教えることもある。

千里ニュータウンは住民の高齢化が目立つ。一方、新築マンションに住む子育て世代も増えている。北町地域の高齢化率は2010年の37.7%をピークに下がり、16年は35%だった。逆に15歳未満の子ども率は10年の8.7%から16年には12.1%に上昇。若い世代が流入してきた当初は、古くから住むシニア世代と街ですれ違っても挨拶もないこともあった。接点のない新旧住民がどう交わったらいいかが課題だった。

4歳と小1の息子2人とサロンに参加する小八木明子さん(33)は、千里に住んで5年がたつ。佐賀県出身で、子どもが祖父母に会うのは年に1、2回。「地域の人から昔の話が聞けて楽しい。子どもには第二のおじいちゃん、おばあちゃんができたみたい」と話す。

野菜づくりを指導する戸松昭次さん(81)は「孫のような子どもと接する機会ができてうれしい。高齢化が進み街ににぎやかさがなくなったが、若い人たちが入ってきて活気が戻ってきた」と目を細める。

子育てサークル部会長の浅野博光さん(64)は「同じ地域に住んでいるのに交流もせずバラバラなのはもったいない。サロンは新旧の世代間交流だけでなく、旧住民同士や新住民同士の交流の場にもなっている」と手応えを感じている。

東京西部の多摩ニュータウンでも新旧の住民が世代間交流に励む例がある。4年前、老朽化した5階建ての団地23棟が並ぶ多摩市の「諏訪2丁目住宅」を、11~14階建てのマンション7棟に建て替えた大規模プロジェクトだ。戸数が640から1249に増え、旧住民と新住民が混住する巨大マンション群が誕生した。

まずはあいさつ

「新旧住民のギャップをどう埋めるか頭をひねった」。そう話すのは前理事長の加藤輝雄さん(70)。手始めが、挨拶だった。旧住民が若い親子連れを見かけたら、「どこから来たんですか」「お子さんは何歳?」などと気軽に声を掛けることから始めた。

管理組合の理事会も新旧住民の理事が名を連ね、積極的に意見交換している。夏祭りやクリスマス、餅つきなどの行事も盛りだくさん。ヨガやカラオケ、自転車などのサークル活動も盛んで、新旧住民が参加する場が広がっている。

加藤さんは「団地と言えば閉じられた世界という印象が強いが、ここはちがう。以前は空き家も目立ち活気が乏しかったが、今は子どもの声が響き明るい雰囲気になった」と喜ぶ。

変わりダネでは団地に学生を呼び込み住民と交流させる事例もある。大東文化大学が08年度から始めた教育事業だ。高島平団地(東京・板橋)の空き店舗を借り、学生が中心になって読書会や書道教室、中国語教室を開いて住民を招く。

中国語教室に通う女性(73)は「日常生活では学生と接する機会がないので刺激がある」と話す。この動きは多摩大の学生が多摩ニュータウンの住民と交流するなど、他地域にも広がりつつある。

ニュータウンは同じ年齢構成の人が集まりやすく、高齢化すると一気に活気がなくなる危険がある。それを防ぐには若い世代を呼び込み、世代間交流を促すことが重要。それを円滑に進めるには、畑のある交流サロンのような場づくりや、諏訪2丁目住宅の加藤前理事長のような強力な指導力を発揮する人材が求められそうだ。

 ◇    ◇    ◇

年齢構成、建て替えで変化

初期に開発されたニュータウンでは今なお住み続ける人が多く、高齢化が目立つ。多摩ニュータウンでいち早く開発された諏訪2丁目住宅を例に見てみよう。まちづくりの研究者らが2014年9月、住民に尋ねたアンケート調査(回収率約52%)によると、マンションに建て替える前の居住者の年齢構成は70~74歳が最も多く、65~69歳が続いた。

一方、同じ調査で建て替え後に入居した居住者は30代が最多で、0~4歳も多かった。両者の人数をグラフに重ね合わせると、60~74歳、30代、0~4歳の3つの山ができた。建て替えが進むと若年人口が増え、均衡の取れた年齢構成になることがわかった。

(高橋敬治)

[日本経済新聞夕刊2017年5月15日付]

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