今の自分のレベルは? 一流・二流・三流の仕事術
「現状の仕事のやり方にイマイチ自信が持てない…」。そんな人のために、自分のレベルがどの程度なのかを確認できる「一流、二流、三流」の仕事習慣をご紹介します。
ずっと働き続けるには「二流以上」が必須スキル
「一流の働き方」を紹介するビジネス書などに注目が集まるなか、「二流、三流」の習慣にもスポットを当てたのが、『仕事の一流、二流、三流』の著者、プロ研代表の俣野成敏さんだ。
「二流、三流まで細分化したのは、多くの人が思う一流が『実は二流ではないか』と感じたこと。終身雇用が一般的だった時代なら、三流でも定年まで働き続けられました。しかし近年は、より生産性の高い働き方が求められ、副業を認める会社も増加。会社に頼らず自己責任で生き抜かなければならない今、誰でも『二流以上』の仕事術を身に付けることが必要です」。そこで、仕事の内容別に一流、二流、三流の習慣を教えてもらった。
「一流の仕事ぶりは多くの人が思いつかないような一歩先のやり方。そうした人の習慣を知り、目指すことで、仕事のレベルは上がっていきますよ」
【事務】
■三流は……頼まれたことができない
■二流は……頼まれたことを確実にこなす
■一流は……頼まれなくても先回りする
ミスが多く、期日までに仕上げられないのが三流。頼まれたことをテキパキ処理し、着実に仕上げるのが二流。「一流の事務職は、必要と思われる仕事を、頼まれる前にどんどんやる先読み力のある人。さらに、仕事のパターンを1つ覚えたら『これも同じ方法でできる』と別の事務処理も効率的に進めてしまう能力のある人は一流です」
【営業】
■三流は……目の前の客にも売れない
■二流は……目の前の客に確実に売る
■一流は……「将来の客」を着実に増やす
特定のカテゴリーの会社や個人を営業先と見て、その範囲で多くの顧客を獲得できる人が二流。「一流は既存の枠組みにとらわれず、自らのネットワークで将来の顧客候補を増やしていく。見込み客が多い分、営業成績が確実に伸びます」
【企画】
■三流は……すぐボツになる提案をする
■二流は……予想できる範囲の提案をする
■一流は……「その手があったか」という提案をする
「自社にあるリソース(資源)を生かした企画ができるのは二流。これでも立派なものですが、さらに自社にはない他社のリソースを掛け合わせて、従来ない方法で売り上げを立てる企画が作れると一流です」
【接客】
■三流は……客が求めていることに答えられない
■二流は……客が求めていることに丁寧に対応する
■一流は……客の気づかないニーズを引き出す
飲食店なら、店員を探している客にすぐ気づいて対応したり、水のお代わりを先回りして注いだりできるのが二流。一方、体が冷えていそうな客には温かいお茶を出す、満腹そうな客に「デザートはお持ち帰りにしますか」と提案するなど、相手の潜在ニーズに応じたサービスができると一流に。「顧客の視野に入っていない1ランク上の商品を提案し、『私はそれに見合っている』と気づかせるのも一流です」
【クレーム対応】
■三流は……相手をさらに怒らせる
■二流は……穏便に処理する
■一流は……相手をファンにさせる
クレーム対応で客をさらにイラつかせるのは三流。納得してもらう説明ができるのは二流。こちらの真摯な対応や商品へのこだわりなどに相手が感銘を受け、「次も買いたい」と思ってもらえると一流だ。
【上司への報告】
■三流は……失敗を隠す
■二流は……事実を過不足なく報告する
■一流は……解決策まで提案する
ささいなことから重大なものまで、仕事にはミスやトラブルが起こるもの。三流はそれらを上司に報告せずにやり過ごそうとし、二流は過不足なく報告して上司の判断を仰ぐ。報告とともに「こう対応したいと思う」と、解決策を提案するのが一流の仕事。
【マネジメント】
■三流は……職場にいても部下がだらける
■二流は……職場にいると部下が緊張感を持つ
■一流は……職場にいなくても存在感を出す
三流の管理職は職場にいても部下がダラダラし、二流は職場にいると部下がピリッとする。「一流の管理職は日ごろから部下に伝えている言葉が浸透し、職場にいなくても『○○さんならどうするか』と部下に考えさせることができます」
【コミュニケーション】
■三流は……相手に言われるがまま
■二流は……相手を説得する
■一流は……相手と同じ目線になる
社内外の相手と交渉する際、三流は意見を主張できず、二流は相手を言い負かして説得する。一方、「相手に尊敬と関心を持って対話をするのが一流。相手は『受け入れられた』と感じて気持ち良くやりとりできます」
この人に聞きました
プロ研代表、ビジネス書作家。シチズン時計でメーカー直販在庫処分店を社内起業。33歳でグループ約130社の現役最年少役員に。2012年独立。『仕事の一流、二流、三流』(共著、明日香出版社)など著書多数。
[日経ウーマン 2017年4月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
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