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金融機関が破綻 その時、預金や投信、保険はどうなる

2017/5/20

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 欧州では2010年のギリシャ危機以降、折に触れ金融機関の経営不安説が取り沙汰されています。国内ではそうした声は聞かれないものの、万が一の備えとしてセーフティーネットがあります。念のため確認しておきましょう。

 銀行などが破綻した場合に預金者を保護するのが預金保険制度です。銀行などから集めた保険料を原資に、万一のときには預金保険機構が預金者に保険金を支払います。保護する範囲は預金の種類により異なります。利息のつかない当座預金など「決済用預金」は全額が保護されます。

 利息のつく普通預金や定期預金などは合算して元本1000万円までと利息が保護されます。これは1つの銀行についてです。A銀行に1200万円預けていれば、200万円分は保護対象外です。

 一方、A銀行とB銀行に600万円ずつ分けて預けていれば、ともに保護の範囲内に収まり安心です。一般に退職金の平均額は2000万円ほど。1行に集中せずに複数行に分散しておくのも一案です。同じ銀行に借入金がある場合は、預金と相殺できることを知っておきましょう。

 近年は銀行同士の合併が珍しくありません。口座を持つ2つの銀行がたまたま合併したら預金残高も合算されます。ただ、合併後の1年間に限っては「元本1000万円×合併銀行数と利息」まで保護する特例があるので、慌てずに対処しましょう。

 確定拠出年金(DC)を通じて、例えば定期預金を持った場合も要注意です。同じ銀行に別途、自分名義の定期預金口座を持っていれば、両方の残高が合算されます。結果的に1000万円を超えるかどうかが重要です。

 ゆうちょ銀行では昨年、1人あたりの預入限度額が1000万円から1300万円に拡大されました(決済用預金は限度額なし)。預金保険で保護される範囲は1000万円である点は再確認しましょう。また一般に外貨建て預金は預金保険の対象外であることも覚えておきましょう。

 証券会社を通じて買った資産については、1人1000万円まで補償する日本投資者保護基金があります。株式や投資信託などは証券会社が自社の資産とは別に、証券保管振替機構や信託銀行などで管理する義務があり、破綻しても基本的には返還されます。

 万一、分別管理義務に違反して返還できない場合に備えるのが同基金です。破綻時の状況によりますが、1000万円を超える分はカットされる可能性があります。

 生命保険会社が破綻した場合は、責任準備金(積立金)の原則90%までが補償されます。ここでの注意点は、積立金の金額は、契約者が払った保険料の総額を下回り、そこからさらに10%が削減される恐れがあることです。

 払った保険料からは保険会社の手数料などが引かれ、残りが積み立てられて運用に回ります。終身保険や年金保険など貯蓄タイプの商品は、定期保険など保障がメインの商品に比べて運用に回る割合が高く、破綻時に影響をより受けやすくなります。積立金の削減だけではなく、契約条件が変更されて保険金額がカットされた前例もあります。

[日本経済新聞朝刊2017年5月13日付]

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