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ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEO

ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEO

日本の学生の学力は世界に比べて下がっている――。インターンシップをいちはやく導入し、東大をはじめとする日本の大学だけでなく、インド工科大、中国の清華大といったアジアの一流校の学生が「ファーストキャリア」の場所として選ぶ人工知能(AI)ソフトウエア開発のワークスアプリケーションズ(東京・港)。牧野正幸最高経営責任者(CEO)は創業当時から「採用は大きなミッションだ」と考え、力を入れてきたという。海外の優秀な学生を採用してきた牧野氏が「人」に対する思い、日本を担う人材の育成法について、連載で語る。

今の日本に必要なのは「考える力」

「日本の学生のレベルが下がっている」――。はたして本当でしょうか。いつから学生のレベルは下がったのでしょうか。私は1963年生まれですが、少なくとも私の時代と比べて、下がってはいないと思います。問題は、日本を取り巻く環境が変わり、必要とされる能力が変わってきていることなのです。これまでのような「キャッチアップする能力」よりも、「自分で考える力」が重要になっている。それに気付く必要があります。

戦後の高度経済成長期、日本企業はとにかく規模を拡大し、海外に「追いつき追い越せ」と走ってきました。規模の拡大には、組織をつくり、マニュアル化し、先輩の仕事を模倣するのがベストです。この働き方に求められる力が「キャッチアップ能力」だったのです。

この力の育成に、これまでの教育はぴったりでした。「この答えを出すためになぜこのルールを使うのか」などと考えず、ひたすらやり方を覚えていくほうが、時間もかからず効率的です。日本人は今でもキャッチアップが得意です。教え、繰り返させるとあっという間に成果を発揮するようになる。企業側のニーズがあるから、大学の教育も違和感なく突き進む、というのが高度経済成長期の何十年です。

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