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イヤホンコードはなぜ絡む 効果的な対策は? 編集委員 小林明

2017/5/12

絡んでしまったイヤホンコード

 通勤途上や休憩時間にイヤホンで音楽を楽しむ読者は多いと思うが、使う際に面倒なのがコードの扱い。カバンやポケットに無造作に突っ込んだままだとコードが絡んでしまい、イライラする場面が少なくない。無理にほどこうとすれば、断線など故障の原因にもなりかねない。

 なぜカバンの中のイヤホンコードは絡みやすいのか? 絡みをうまく防ぐ効果的な対処法はあるのか? イヤホンコードにまつわる数学的理論や商品の最新事情について調べてみた。

■長いひもほど絡みやすい、「結び目の理論」で証明

模型を使って「結び目の理論」を説明する埼玉大学大学院教授の下川航也さん

 「実はイヤホンのコードが絡むことは極めて自然であることが数学的に証明されているんですよ」――。埼玉大学大学院理工学研究科教授の下川航也さんが解説してくれた。

 「ひもの結び方がどれくらいあるか」などの問題は数学の分野だと「結び目理論」と呼ばれており、100年以上の歴史があるという。日本は世界でも知られた研究者を輩出しているそうだ。

 ここで注目したいのは「容器の中に十分に長いひもが入っていると結び目ができている確率は高く、さらにひもの長さが長くなるほどその確率は100%に近づく」ということ。サムナーズとウィッティントンの定理などといわれ、すでに数学的に証明されている。

■原因は自由度、逆にひもが短いと結び目は作れない

 逆にひもが短い場合は、結び目ができにくくなるらしい。

 「たとえば太さが1センチのひもだと、15.66センチ以上の長さがないと結び目を作ることはできない」という定理もある(デンヌとサリバンとディアオの定理)。つまり、太さが数ミリで長さが1メートル程度もあるイヤホンは、数学的にも結び目がとてもできやすいというわけ。

 「両端が固定されておらず、振動や揺れでコードが動きやすい状況になっているほど絡む確率はさらに高い」と下川さんは指摘する。コードが自由に動き回ることで自然に結び目ができてしまうからだ。そう考えると「カバンの中にイヤホンを無造作に入れて持ち歩くのはコードに結び目が極めてできやすい状況だ」ということができる。

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