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汗と皮脂が体臭のもと 疲れはニオイを強くする

日経ヘルス

2017/6/4

イラスト:sino
日経ヘルス

 本格的な夏を前に、汗をかく機会が増える時期。思わず、自分の体がにおっていないかと、くんくんしてしまう人もいるかもしれない。体臭や口臭、頭皮やデリケートゾーンなど、部位別に、気になるニオイの対策を3回に分けて紹介する。1回目は体臭の原因について見ていこう。

◇  ◇  ◇

 汗ばむ季節、体臭が気になったら汗が原因かもしれない。「汗腺には、皮脂やニオイ物質を多く出すアポクリン腺と、体温調節のために汗を出すエクリン腺がある。エクリン腺の汗の原料は血液の血漿(けっしょう)。血漿に含まれるナトリウムなどのミネラルやアンモニアは、汗腺で再吸収され血管に戻る。しかし、再吸収機能が低下し、これらの成分が汗に残ると、ニオイが発生する」と五味クリニックの五味常明院長は話す。

イラスト:sino

 汗は疲労が原因でニオイが強くなる。「原因は2つ。ひとつは、肝機能低下でアンモニアを分解できなくなるため。もうひとつは、疲労関連物質である乳酸が汗に出ると雑菌に分解され、ニオイ成分のジアセチルが発生するため。これはミドル脂臭と呼ばれる」(五味院長)

 一方で、皮脂の酸化も関わる。「女性ホルモンのエストロゲンには皮脂の酸化を抑える働きがあるが、更年期以降はエストロゲンが減少。皮脂の分泌を活発にする男性ホルモンが相対的に多くなり、皮脂が酸化され加齢臭が発生する」と成城松村クリニックの松村圭子院長。

汗腺の再吸収でミネラル分が十分に除かれた汗になれば、サラサラの汗になり、におわない。「エアコンの普及や運動不足などによって、現代人の汗腺の再吸収機能は落ちている」と五味院長(イラスト:三弓素青)
エクリン腺の汗は水が主成分、アポクリン腺の汗は皮脂やたんぱく質を多く含み、混ざり合って雑菌が繁殖する。また、再吸収されなかった血漿に含まれる乳酸などが雑菌のエサになり繁殖する(イラスト:三弓素青)

【汗のニオイ成分】
■ミネラル分
 汗に含まれ、皮膚表面の雑菌のエサになる。雑菌が増殖してニオイが発生
■アンモニア
 肝機能が低下し、アンモニアを分解できなかったり、汗の再吸収機能が低下すると、汗がアンモニア臭に
■ジアセチル
 雑菌に分解されて産生され、ミドル脂臭につながる。「30~40代で発生しやすい」(五味院長)

【皮脂のニオイ成分】
■ノネナール
 加齢臭の原因物質とされる。「皮脂腺の中で、9-へキサデセン酸という脂質が活性酸素や過酸化脂質によって酸化することで生成される。40代以降は抗酸化力の低下で増加しやすい」(五味院長)

 部位別にみると、頭皮の場合は皮脂の酸化や、フケをエサに雑菌が繁殖するため。「洗浄力の強いシャンプーで皮脂を落としすぎると、防衛反応で皮脂の分泌が過剰になる」(五味院長)。デリケートゾーンは「月経時にナプキンを長時間つけていると高温多湿になり雑菌が繁殖。不快なニオイを発するようになる」(松村院長)。口臭は、唾液不足も考えられる。「唾液には殺菌作用がある酵素、リゾチームが含まれている。唾液が減少すると細菌が繁殖し、口臭も起きやすくなる」(五味院長)とのことだ。

五味常明さん
 五味クリニック(東京都新宿区)院長。昭和大学形成外科で形成外科学、多摩病院精神科で精神医学を学ぶ。体臭の悩みを外科的手法と心の治療の両面から解決している。体臭研究の第一人者。
松村圭子さん
 成城松村クリニック(東京都世田谷区)院長。月経トラブルや更年期障害など、幅広い年齢層の不調、疾患の治療にあたる。著書に『女性ホルモンで、ふわっと香る美人になる』(KKベストセラーズ)など。
森昭さん
 竹屋町森歯科クリニック(京都府舞鶴市)院長。MDE(メディカル&デンタルエステ)協会を設立し、唾液分泌を促進させる予防歯科を啓発している。著書に『歯はみがいてはいけない』(講談社+α新書)ほか。

(ライター 海老根祐子、構成:日経ヘルス 羽田光)

[日経ヘルス2017年6月号の記事を再構成]

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