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投信の高値づかみ、回避するには 定額積み立て型優位 確定拠出年金向け商品が代表的

2017/5/13

 来年から積み立てNISA(少額投資非課税制度)が始まることもあり、毎月決まった日に同じ金額で投信を購入する積立投資が注目されている。自分でタイミングや金額を決めて買う通常の手法に比べて積立投資は優位なのだろうか。米国の投信市場で分析に使われる「インベスター・リターン」(保有者の平均損益)という指標を当てはめて検証してみよう。

 保有者の平均損益とは、その投信を買った人々が実際にどれだけの利益を上げたのか損を出したのか、保有者全体の平均値として推計したもの。国内では投信評価会社モーニングスターが個別のファンドごとにサイト上で公表している。

 図Aは、ここ10年間に優れた運用実績を残した日本株投信を対象に推計した結果だ。いずれのファンドでも保有者の平均損益は、投信の値動きを示す基準価格(株式の株価に相当)の騰落率を大きく下回る。

■安値売り目立つ

 どういうことか。

 投信は一般に、市場環境が良くて価格が顕著に上がっているときに、購入する人が増える。もっと上がりそうだと期待し、証券会社や銀行も薦めやすくなる。

 ところが、いったん価格が下がり始めると今度は不安にかられ、早々と手放す人が多くなる。販売した金融機関も、別の投信への乗り換えを薦めがちだ。

 こうした「高値づかみ」「安値売り」をした人が多ければ、保有者全体で見た平均損益は悪くなる。平均損益は価格帯ごとにどれだけの量が購入・売却されたかを計算して求める。

 高値買い・安値売りが多いことは株価と投信の資金流出入の関係からも分かる(図B)。安く仕入れ高く売り抜けようと狙う「逆張り」派が多い株式の投資家とは対照的だ。投信の購入者は投資経験が比較的浅いことが一因とみられる。

 金融機関の商品戦略にも原因がある。証券会社などはこれまで、情報技術(IT)や人工知能(AI)といったその時々で旬の材料を掲げた投信を繰り返し販売してきた。いわゆる「テーマ型投信」だ。

 関連する株式を組み入れて投信を作り大々的に勧誘する。組み入れ銘柄の株価はすでに高くなっていることが多く、関心が薄れて投信が値下がりすると解約が一気に広がりやすい。

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