「正解率60%ならやる」 LIXIL瀬戸社長の即決法LIXILグループ社長兼CEOの瀬戸欣哉氏(下)

「私が1日で判断したら60%の正解率で、1週間考えたら正解率は90%だとしましょう。普通だと『じゃあ1週間考えよう』となりますが、グーグルやアマゾンといった会社がどういう考え方をするかというと、60%でもいいからやってしまえと。そうすると40%の確率で失敗するけれど、翌日も続けて失敗する確率は16%、さらに3日続けて失敗する確率は6.4%。結果、タイムマネジメントとしては、議論するより試してみたほうが、早く正解にたどり着ける。そのほうが科学的なやり方ですよね。必要な論点があがったら、そこで議論に勝つとか負けるじゃなくて、試してみる。そうするとおのずとタイムマネジメントもできてきます」

社長になるには、社長を経験するのが早道

――社長に就任したばかり、ではありますが、後継者の育成についてはどのようにお考えですか。

「正直申しあげて、社長は育てて育つものではないと思います。一つだけ言えるのは、社長の仕事をしていく人は、小さな会社でいいので、とにかく社長としての経験をまずはしてみることが大事だということです。振り返ってみると、私が飛躍的に成長したのは、初めて社長をやった時でした。社長のところにはあらゆる情報が上がってくる。あらゆる情報のインプットを毎日毎日受け続けるので、社長は、誰よりもその会社については賢くなるはずです。ベストの情報を得て物事をどんどん判断していくと一番能力が伸びる。そういう意味では、小さな会社でいいから、社長をやって自分で責任を持って判断することから始める、というのが一番確実な方法だと思います」

「もちろん社長じゃない人が社長になるのは大変です。しかし、誰にでも最初がある。私の場合はラッキーで、最初は小さな会社だったので、いろいろ試行錯誤ができた。例えばリクシルの部長に、明日から社長をしてくださいと言っても、なかなか難しいですよね。ですから、大きな会社の社長になる前に、小さな会社の社長をしてみるというのが良い方法ではないでしょうか」

瀬戸欣哉
1960年東京都出身。東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社。米国に赴任し、現地企業の役員を務めた後、2000年、MonotaROを起業。同社を含め国内外で11社を立ち上げた経験を持つ。16年より現職。

(石臥薫子)

前回掲載「強い会社づくり、恋愛と一緒 お互いをよく知る」では、MonotaROなどの11社を起こした経験を、巨大組織LIXILの経営にどう生かしているのかを聞きました。

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