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リーダーのマネジメント論

強い会社づくり、恋愛と一緒 お互いをよく知る LIXILグループ社長兼CEOの瀬戸欣哉氏(上)

2017/5/9

「その上で、一人ひとりが、自分の利益に反しても会社のためにベストな選択をしよう、と考えてくれるようにする。それがリーダーの仕事です。私自身もそうですが、各リーダーに言っているのは、できる限り部下とは1対1で話すこと。MonotaROでは全社員と年に2回、個人面談をしていました。これは結構大変なのです。中には話しながら泣き出す社員もいますし、家庭の悩みを延々と話す社員もいますね。でもそこで話を聞いてもらった、本音で話したという事実が、リーダーへの信頼、そしてその組織に対するコミットメントを生んでいったのです。その経験から、リクシルに入ってからも約3か月で、600人余りの社員と1対1で話しました。まずは心を開いて相手の話を聞く。相手に合わせて説明をする。1対1であればその説明に相手が賛成しているのか、疑問を感じているのかも肌で感じられます」

■目指すはアントラーズ型チームワーク

――小さな積み重ねが大事だと。

「会社に愛着を持つ社員が増えることが、会社を強くします。そのためには恋愛と一緒で、まずは知ってもらうことが大事です。自分の会社はどんな商品を作っているのか、そして社内ではどんな人が働いているのか。商品については代表的な商品をA4用紙の両面に印刷して、社員が常に携帯し、覚えられるようにしています。人についても今月、社内SNS(交流サイト)のような仕組みを始めます。社員一人ひとりが自分の仕事に関するトピックスを共有し、他の社員からコメントも受け取れます。自分のキャリアや個人的な趣味についても可能な範囲でオープンにします。世界中の仲間と気軽にコンタクトできるようになり、情報収集にも活用できます」

「昨年末のFIFAクラブワールドカップ ジャパンの決勝戦で、鹿島アントラーズがレアル・マドリードをあと一歩のところまで追い詰めました。なぜアントラーズがあれだけいい試合ができたかというと、メンバー全員がいつも一緒にプレーしていて、誰がどこにボールを欲しがっているか、お互いによくわかっていたからです。世界の一流選手ばかり11人集めれば確かに強いチームがつくれます。しかし、お互いを知り尽くした11人が優れたチームプレーで臨めば互角に戦うことができる。企業も同じで、社員がお互いに誰がどこで何をしているかを知ることで、良いチームワークが必ず生まれます」

瀬戸欣哉
1960年東京都出身。東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社。米国に赴任し、現地企業の役員を務めた後、2000年、MonotaROを起業。同社を含め国内外で11社を立ち上げた経験を持つ。16年より現職。

(石臥薫子)

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