強い会社づくり、恋愛と一緒 お互いをよく知るLIXILグループ社長兼CEOの瀬戸欣哉氏(上)

「大きな組織を早く動かそうというとき、トップダウンがいいように思えますが、トップダウンは現場のことを非常によくわかっている創業者がいて、はじめて成功するものです。私のように外部から来て、いきなりトップダウンというのは難しい。そうすると現場の意見がどれだけ早く伝わるかが重要な意味を持ちます。そのために私は就任以来これまで、組織をできるだけフラット化し、情報が滞りなく流れるネットワークを社内につくることに力を注いできました」

■会社の利益と自分の利益が反する時

――コミュニケーションをよくして、活発に意見を交わせるようにしようとしているわけですか。

「その通りです。ただし、単に議論を活発にするだけではスピードが逆に遅くなってしまいます。スピーディーに議論を煮詰めるには、判断の『軸』を共有することが必要です。その軸とは、『この会社にとって良いことかどうか』。みんながその軸に沿って判断するためには、みんながこの会社のことを大事に思えていないといけません」

「誰しも自分の所属している社会や組織に対しては漠然とした愛情を感じています。多くの日本人にとって日本の金メダルはうれしいし、広島出身の人は熱心なファンでなくとも広島カープの優勝がうれしいのではないでしょうか。会社も同じで、自分の働いている会社が成功するとうれしい。でも、会社の利益と自分の利益が相反する時には、なかなか、会社にとって良いことだから頑張ろうとは思えません」

――愛社精神を持てということですか。

「リクシルの弱みは、いくつもの企業が合併して生まれた会社なので、自分たちの帰属意識が、必ずしも今のリクシルという巨大組織にあるとは言い切れないところです。そこをどうするかは非常に重要で、これまでいろいろな階層でワークショップを開き、議論してきました。なぜ我々の会社は判断が遅いのか、なぜ若手を積極的に登用できていないのか、などについて率直に話し合うのです。すると、会社にとって良いことと、個人にとって良いことは違うことがわかってくる。若手を登用するといっても、幹部にすれば『じゃあ私たちはどうなるんだ』ということになりますよね。しかし、その事実をしっかりテーブルに載せて、本音で話し合っていくと、会社にとってベストなことは何かが見えてきます」

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