マネー研究所

ヴェリーが答えます

CDSって何? 債務不履行リスクを取引する金融商品

2017/5/9

「最近、またCDSという言葉をよく耳にします。どういうものなのか、詳しく教えてください」(宮城県、50代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

 CDSはクレジット・デフォルト・スワップ(Credit Default Swap)の略で、国や企業のデフォルト(債務不履行)のリスクを取引するデリバティブ(金融派生商品)のひとつです。

 国や企業の信用リスクが高まるとCDSの保証料率が上昇します。現在、日本の代表的な40社の社債の平均保証料率は期間5年で0.4%ですが、QUICKファクトセットによると、東芝(6502)の社債の保証料率は同4%前後と高くなっています。CDS契約を結び、年4%の保証料を支払えば、東芝が法的整理に陥ったとしても、元本を保全できるという意味です。

 CDSを開発したのは米国の銀行です。銀行が抱える貸出債権のデフォルトリスクを回避することが当初の目的でした。貸出債権は債券と違って流動性がなく、売却が簡単ではなかったからです。その後、トレーディングや純投資目的でCDSを売買する投資家があらわれ、一気に市場が拡大していきました。

 転機は2008年のリーマン・ショックでした。CDSやCDSを加工した複雑な金融商品が相次いで値下がりし、持ち高(ポジション)を膨らませていた世界の金融機関の業績が急激に悪化しました。CDSは証券取引所による売買ではなく、金融機関間の相対取引が主流だったため監督当局も全貌を把握できておらず、不安心理が連鎖したのです。

 これを機に金融当局が規制を強化し、CDS市場の透明性は格段に高まりました。しかし売買が少ない銘柄では、一部の投資家の売買で値段が大幅に変動することもあります。

[日経ヴェリタス2017年4月30日付]

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