世の中すべてがファッションや 感度を高め人生豊かに伊藤忠商事社長 岡藤正広氏(下)

――毎日の装いはご自分で選ばれているのですか。

「それはそうやろ、誰が選ぶんや(笑)。だけど、よく見てると同じのばっかり。ちょっと変わったストライプとか、チェックなんかだと、シーズンに1、2回しか着られない。それを着ると、よく目立つから、『また同じもん、着とる』という感じになってしまうので、どうしても紺とかグレーになる」

ブランド導入にあたっては「お客さんが『これや』というものを取ってきて、必ず自分で着てみる」

「ただ、同じ紺でも、いい縫製で、いい素材のものを選ぶようにしている。例えば、『スーパー160』(原毛の太さが15.5マイクロ=マイクロは100万分の1=メートルの生地)とか、そういうファインな生地でつくったものは、シワになりやすいけども、シワがとれるのも早い。おまけに光沢からして全然違うわな」

「ブランドにはこだわらない。もちろん、いいブランドで、いい商品というのはあるんですよ。本当にこだわっているブランドなら、『安心だ』と思って買いますよね。ブランドというのは、そうならないとだめだね。たまたまいいものがあって、買ったらよかった。それがこういうブランドやった。次に買っても裏切らない。すると、そのブランドに対する信頼ができる。逆もあるわな。こういうブランドやと思って買ってみたら、なんか悪かったと。そのブランドには信頼をおけないからな」

――ブランドとのライセンス契約でも、必ずご自身で商品を試してきたと聞きました。

「もちろん。ただし、自分が好きなブランドを導入するんじゃなくてね、お客さんが『これや』というものを取ってくる。それは必ず、自分で着てみる」

「この前もね、こんなことがあった。スカルとバニーのロゴの米国ブランド『サイコバニー』、あれをうちが導入したということで、そこのシャツを着たらね、袖口がちょっと普通よりも大きいんですよ。それで『ちょっと大きすぎるんちゃうか』といったら、『いやいやこれ、カフスもできるようになっています』と。『カジュアルでカフスするんか』といったら、『今の若い人は、カジュアルでもカフスします』。だからぼくもカフスをしてみた。若者のファッション、こうやって常に変化するから、勉強になるわな。着てみないとわからへん」

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