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ラグビーW杯とオリパラ 人材の融通・設備共用で合意 9カ月の至近開催、シナジー見込む

2017/5/9

東京五輪・パラリンピック大会組織委の武藤敏郎事務総長(右)とラグビーワールドカップ(W杯)組織委の嶋津昭事務総長(4月26日、連携協定の記者発表)

2019年ラグビーワールドカップ(W杯)と20年東京五輪・パラリンピックそれぞれの運営を取り仕切る組織委員会は大会運営で協力することで合意した。警備やドーピング検査の専門家、通訳などのボランティアを相互に融通したり、監視カメラなどの設備を共同利用したりすることを検討する。開催時期が近いことを生かして、人材の確保やコスト削減につなげる。

協力する分野は競技運営、警備、輸送、ボランティア、ドーピング検査、会場施設の整備など広範囲にわたる。4月26日に連携協定を結んだ後の記者会見で、東京五輪・パラリンピック組織委の武藤敏郎事務総長は「連続して日本で大きなイベントが開催されるのだから、互いに協力して知見を共有し、情報交換することで、効率的な運用を考えたい」と述べた。

具体的には、まず東京五輪・パラリンピック組織委が会場の警備、選手・大会関係者の輸送、選手のドーピング検査などの業務に必要な人材をラグビーW杯に派遣する。人手不足が深刻になるなか、ラグビーの組織委は人材を確保しやすくなる一方、東京五輪・パラリンピック組織委もスタッフに国際スポーツイベントの経験を積ませることができる。

ボランティアの募集でも協力する。ラグビーW杯では約1万人のボランティアが活動する予定。東京五輪・パラリンピックはさらに大規模で、9万人以上を動員する。会場周辺の道案内、通訳など活動内容は似通っており、「ラグビーW杯を経験したボランティアが東京五輪・パラリンピックでも活躍できる」(ラグビーW杯組織委の嶋津昭事務総長)

ラグビーW杯の会場で使った設備を東京五輪・パラリンピックで転用することも検討する。仮設の観客席や警備用の監視カメラなどで、特に札幌、東京、横浜の3都市では両大会で同じ競技場を使用するため、転用の効果は大きいもよう。東京五輪・パラリンピック組織委の武藤事務総長は「20年も見据えながら、両方に役立つ道を模索したい」と話す。

ラグビーW杯と東京五輪・パラリンピックの日程は非常に近い。19年11月2日にラグビーW杯の決勝戦が横浜であり、それから約9カ月後の20年7月24日には東京の新国立競技場で東京五輪の開会式がある。武藤事務総長は「どれだけコストを削減できるかははっきりしていない」と話すが、やり方次第でかなりの相乗効果を引き出せそうだ。

両大会は組織委の顔ぶれも重なっている。キヤノン会長の御手洗冨士夫氏はラグビーW杯組織委の会長で、東京五輪・パラリンピック組織委では名誉会長を務める。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長はラグビーW杯組織委の副会長で、東京五輪・パラリンピック組織委では副会長。森喜朗元首相はラグビーW杯組織委副会長で、東京五輪・パラリンピック組織委の会長だ。今回の協力合意は自然な流れともいえる。

21年に大阪などで開かれる生涯スポーツの国際大会「関西ワールドマスターズゲームズ」を加えた3つの大会で相乗効果を出すべきだという意見もある。三菱総合研究所の仲伏達也プラチナ社会センター長は「19~21年の3年間を国際スポーツイベントの『ゴールデンスポーツイヤーズ』と位置づけ、一体的に機運を盛り上げるべきだ」と話す。インバウンド(訪日外国人)促進のプロモーションでも効果が期待できそうだ。

(山根昭)

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