「ミレニアル女子」が起こす風 新たな働き方を探して訪日客に味噌教室、リーダー目指す女性を支援……

働くことに、やりがいを感じたい――。転職、起業を通じて理想を求める20~30歳代、ミレニアル世代の女性が増えている。私生活や仲間を重視し、仕事観はクールと見られがちだった彼女たちだが、働く価値を求めて悩みながら新たな一歩を踏み出す姿を追った。

◇   ◇

農業ベンチャー&居酒屋で味噌教室 安部美佐さん

外国人旅行者らを対象にした味噌作りワークショップを開く安部美佐さん(左=東京都中野区の「宮城漁師酒場 魚谷屋」で)

「大豆の粒が残らないようにしっかりつぶして」。外国人旅行者たちに安部美佐さん(28)から味噌づくりのアドバイスの声が飛ぶ。米民泊大手Airbnbが始めた体験プログラムの一つ。月に1度、居酒屋「魚谷屋」(東京・中野)で開く味噌教室だ。

宮城県出身の安部さんは都内の農業ベンチャー企業で働き、コメ・大豆農家の実家を手伝う。週末は都内の青空市場、時には海外の日本食PRイベントに赴く。就職したのは広告会社で、5年弱働いた。仕事は楽しかった。だが東日本大震災が起きた2011年、シンガポールに赴任しており、自分だけが海外に逃れてしまったと感じた。今の自分の働き方でいいのか。

自分にとってやりがいのある仕事、自分しかできない生き方をしたい。たどり着いたのが「生まれ育った宮城の大好きな食と海外をつなげるビジネスができないか」との思い。広告会社を辞め、地元と東京の拠点を行き来しながらの働き方が始まった。

畑で土にまみれるかと思えば、夕方からは外国人に味噌造りの伝統文化をどう伝えるか企画を練る。「仕事と生活の境目がないのは体力的にはきつい。けれど前より時間の使い方を考え、やりがいを強く感じる」と表情に充実感がにじむ。今年はタイで味噌教室をと声がかかる。「お金になる農業のかたちをつくりたい」。農業に新しい風を吹かせようと意気込む。

注目記事
次のページ
女性活躍支援の市民団体創立 インクルージョン・ジャ