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エリーパワー社長の吉田博一氏

エリーパワー社長の吉田博一氏

大型リチウムイオン電池を生産するエリーパワー(東京・品川)の吉田博一社長(79)。2006年、69歳の時に慶応義塾大学発の電池ベンチャーをわずか4人で起こした。旧住友銀行(現三井住友銀行)副頭取などの要職を歴任しながら、ゼロから先端企業を創った異色の起業家だ。悠々自適のシニアライフを放棄し、吉田氏は、なぜセカンドキャリアに挑むのか。

女性に花束、トップ営業マンに

「セカンドキャリアなのかな。僕の人生は69歳の時からスタートしたと思っていますが」。東京・大崎のエリーパワー本社で、吉田氏は笑いながらこう話す。

もともと吉田氏は銀行マン。入行して2~3年たったころ、「1日90件得意先を回った」という伝説的な営業マンとなり、度々預金獲得で行内トップに立った。このとき、営業マンとして身につけた技もある。「お客さんの娘さんなど女性が誕生日の時に花束を贈る。実は支店長になっても女性行員の誕生日に花束を贈っていました。今だったら、ちょっと問題になるかもしれないが、女性が味方をしてくれれば、たいていの物事はうまく回りますからね」という。

3つの支店長を務め、実績を積み重ねた。後にアサヒビール社長に転じた樋口広太郎氏(元住銀副頭取)の目に留まり、銀行マンとして出世街道を歩んだ。「樋口さんは感性豊かな人だった」という。頭取になった西川善文氏とは同期入行で、副頭取に昇格したのも同じ頃だ。その後リース会社の社長になった。名門進学校の麻布高校から慶応大学を経て住銀に入り、絵に描いたようなエリート銀行マン人生だった。65歳の時に後進に道を譲ることにした。

EVは未来のクルマだ

しかし、「これでキャリア人生が終わるのか」とモヤモヤした気分にかられた。とはいっても「組織にしがみついたら、みんなに迷惑がかかる。何が今までの経験を生かしてやれる仕事はないか」と考えているときに、1つの出会いがあった。母校の慶応大学で電気自動車(EV)の開発プロジェクトがスタートしていた。環境問題に興味を抱いていた吉田氏は、「エリーカ」というEV試乗車に乗せてもらった。

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