佳奈 さすがに公的なデータはどこにもないので、各大学の卒業生の就職先およびその人数(上位20社まで)と、それらの企業の推計賃金データを基に、大学ごとの「平均的な」収入と生涯賃金を割り出してみたわ。
卒業生の就職先データはいずれも2015年のもので、早稲田大学と慶応義塾大学については大学公表の情報を使用。一方で東京大学については、大学が公表していないので「東京大学新聞社」の調査データを使ったわ。それと、賃金の推計については、データが明らかになっている一部上場企業のみを対象にしているの。なので、例えば外資系企業や非上場企業については考慮していないわ。公務員や医師、弁護士なども対象外よ。あくまで参考程度に見ておいてね。

沙織 わっ、30代後半から40代前半で軒並み年収1000万円コースですか。生涯年収は早稲田が3億8785万円、慶応が4億3983万円、東大は4億6126万円……。平均的な大卒の男性と比べても、1億~1億7000万円も多いんだ。
佳奈 さっきも言ったけど、卒業生の就職先の上位20社までのデータを使った推計値にすぎないからね。そこは覚えておいて。
沙織 それでもやっぱり違いますね……。勉強になりました。
佳奈 あと、分かっているとは思うけど、親が良かれと思って教育に力を入れても、子供にとってそれが幸せとは限らないわ。ただ一方で、教育を通じて得た知識や問題解決能力、そして学校などを通じて培った人間関係は、子供の人生を豊かにしてくれるとも思うの。
沙織 はい、私もそう思います。
佳奈 おしゅうとめさんの気持ちも分かるけど、子供にどんな人生を歩んでほしいのか、そのためにどういった教育を与えるのかは、沙織ちゃんと旦那さんでよく話し合って決めるべきものじゃないのかしら。
沙織 ありがとうございます。今度、夫婦でゆっくり話し合ってみますね。
AFG
金融機関向けのソフトウエア開発やコンサルティング業務を手掛けるほか、個人向けの人生シミュレーションプラットフォーム「シミュライズ」を提供。給与や生活費のデータを入力すれば、現時点の生活費などの診断に加えて、将来の収支予測なども提示する。
(マネー研究所 川崎慎介)