家族の役割を「代行」 おひとりさま着目の生前契約終活見聞録(3)

一方で減少したのが、かつて世帯の主流だった親と子、孫の三世代同居だ。厚生労働省の「国民生活基礎調査」で、65歳以上の人がいる世帯の構造を見ると、1980年には三世代同居は50.1%と半数を占めていたが、2014年には13.2%に減った。

2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」(2013年1月推計)、「日本の将来推計人口」(2012年1月推計)
厚生労働省「国民生活基礎調査」

高齢者のひとり暮らしには気がかりなことが多い。大きな心配事は介護が必要になったり、死が迫ったりしたらどうなるかだ。亡くなったときにだれにも見つけてもらえない恐れがあるし、万が一、認知症になったり、体が不自由になったりすれば、世話をしてくれる人も必要になる。また、入院や手術、施設入居などの際には保証人を求められる。お金があっても保証人がいないと入居できない場合があるので、頼れる家族や親戚・知人がいなければ探しておく必要がある。子どもや親戚がいても、迷惑をかけたくないという人も多いだろう。こうした不安を感じる人が注目するのが、各種の手続きを家族の代わりにやってくれる代行サービスだ。エンディングの準備や実行などを第三者に託して生前に契約しておく。

存命中の安否確認や、施設入居・入院の際の身元保証人、財産管理を代行する「事務委任契約」、認知症などで判断能力が不十分になった場合に備えて後見人を決めておく「任意後見契約」、加えて死後の届け出や、葬儀や墓の手続き、遺品整理などを任せる「死後事務委任契約」などが代表例だ。

こうした生前契約を手掛ける事業者は、NPO法人や財団法人を主体に増えている。あらかじめ結んだ契約に応じてスタッフが高齢者を訪ねて、その内容を実行する。費用は事業者で異なるが、支払った金額の多くを預託金としてプールしておき、必要なサービスが生じた場合に預託金から支払われる仕組みが多い。

当初費用、100万円超えるケースも

りすシステムの契約書。死後、生前、そして任意後見などそれぞれ交わす

前述の「りすシステム」は死後事務の基本料金が50万円。入院や施設入居の保証人など生前の事務は必要に応じて依頼する。財産の管理や日常の話し相手、ペットの世話や墓参の代行、介護認定の立ち会い、医者選びの手伝いなどもメニューにある。申込金(5万円)に預託金、公正証書の作成費用などで「当初費用は100万円程度になるケースが多い」(代表理事の杉山さん)という。

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