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それでも親子

女優アイリさん やりたいことで道開いた両親が手本

2017/4/28

1989年千葉県生まれ。2011年、ファッション雑誌でモデルデビュー。12年から舞台を中心に活動し、最近はテレビ番組の相撲コメンテーターとしても活躍。6月22日から舞台「二重の筺」に出演。

著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回は女優のアイリさんだ。

――お父さんは元大関の若嶋津関(現二所ノ関親方)、お母さんは元歌手の高田みづえさんですね。

「小さいころから歌が好きで、リモコンをマイク代わりにして歌っていました。ただ、芸能界へ進むような環境ではありませんでした。母は相撲部屋のおかみさんとして生きていくと決断し、引退後は、芸能界との関わりを一切、絶っていました。家にレコードやビデオなどはありませんし、トロフィーは鹿児島の祖母の家に送ってしまった」

「相撲は身近でした。毎朝5時から弟子たちが稽古を始める。すごいなあと思って見ていました。家庭で普通に使っている言葉が実は、相撲用語なんです。例えば、物がぼろぼろになっているのを『力入っている』と言います」

――芸能界に入ることを両親は賛成しましたか。

「大学2年生のころに母に話すと、『あなたの好きなことを応援する』と言ってくれました。もっとも、『応援側』ではないなあとも感じていました。芸能界は甘い世界ではありませんし、年齢的にも入るには遅い。ただ、両親とも、自分がやりたいことで道を開いてきた。ならば自分もと、気持ちが揺らぐことはありませんでした」

「まず、モデルとしてデビューし、1年後に舞台に出るようになって、魅力に取りつかれました。芝居は人間性が出ます。父は『相撲は稽古がすべて』と言いますが、芝居も同じ。手を抜いたり、これぐらいでいいとやっていたりしたら、観客の心を打つことはできません」

――出演する芝居を、両親は必ず見に来るそうですね。

「父はたいてい観客席の一番後ろで見ているのですが、体が大きいのですぐわかります。聞くと『緊張して見られない』と言いますね。舞台の私と目が合っちゃうのでは、と気にするんです。母は黙って見ている。演技が良かったかなど感想は言わない。変に褒められたりするよりはいいですね。言われないからこそ頑張ろうと思います」

――横綱稀勢の里の優勝で相撲人気が高まっています。コメンテーターなどとしてテレビ出演する機会が増えました。

「私も、相撲が面白くなってきました。相撲好き女子の『スー女』の一人として、自分の知識や経験が生かせたらと思います。とはいえ、あくまで本業は芝居だと思っています。この道で力を付けたいです」

「母は10年歌手をやるつもりでしたが、結婚して8年で辞めた。相当、悩んだと聞いています。私は芝居を始めてまだ5年。とても辞めると言えるレベルに達していない。母は私が悩んでいると、『大丈夫。どうにかなる。悩む暇があるならやってみる』と励ましてくれます。ありがたいですね」

[日本経済新聞夕刊2017年4月25日付]

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