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ハラル食、輸送も万全 訪日ムスリム追ってどこにでも 日通、コンテナ洗浄や倉庫内管理で認証取得

2017/5/19 日経産業新聞

輸送用コンテナは「宗教洗浄」と呼ばれる手法で清める

 日本通運はイスラム教の戒律に沿った輸送体制を強化する。東京都内に続いて福岡市の物流センターでもハラル認証を取得した。東西に拠点を設けることで食品などの輸送を効率化。同様の認証を得ているマレーシアの拠点との間での輸出入も広げる。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた訪日客の増加やアジアでの和食ブームなどから今後の利用拡大を見込んでおり、国内外の他の拠点にハラル輸送を広げることも検討する。

 イスラム教の戒律により、ムスリム(イスラム教徒)が口にすることが許された食べ物などは流通過程でも厳密な管理が必要になる。具体的には豚肉など許されていない「ハラーム」と接触してはいけない。

物流倉庫内では、ほかの食材などと混ざらないように専用の台車を使う

 日通のハラル輸送では、物流センターの倉庫に専用のスペースを設ける。ハラルを運ぶ専用の台車とカバーも用意し、エレベーターを分けて使うなど倉庫内での動線もハラームと分離した。

 輸送時に使うコンテナは「宗教洗浄」と呼ばれるイスラムの戒律にのっとった方法で清めたものを使い、貨物列車や航空機、船などを使って輸送する。

 日通は国内の認証機関から16年に東京都内の拠点でハラル認証を取得。このほど福岡市でも認証を得た。国内の東西に拠点を設けることで、配達までの時間が短縮されるなど効率的な輸送が可能になる。現在のハラル輸送の実績は小規模にとどまるが、ムスリムの訪日客も増えていることから、今後は配送需要の増加が期待できる。

 例えばムスリム向けに食品を提供したい九州の飲食店や小売店などへ、関東の食品メーカーが製造したハラル対応食品を配送するといったケースを想定する。すでに愛知県の製粉業者から西日本の食品メーカーに小麦粉を運ぶなど実績を積みつつある。

倉庫ではハラル専用のエリアで保管する

 さらに、日通はマレーシアでも14年に同国のハラル認証機関から認証を取得している。これまでにも日本からマレーシアへ和牛やマグロなどの鮮魚を運び、マレーシアからは日本にムスリム向けの機内食の材料などを輸送した。

 アジアへの物流の窓口として機能している福岡に拠点を設けることで、和食ブームに沸くアジア、特にイスラム圏への配送需要が取り込めると期待する。輸送効率を上げてコストを下げる効果も見込める。

 国内だけでなく、海外も含めて一体的にハラル輸送をしているのは国内企業では珍しいという。今後はマレーシアだけでなく、インドネシアもハラル輸送の対象にすることを検討する。国内でも「需要動向をみながらハラル認証を取得する施設を増やしていきたい」としている。

(福冨隼太郎)

[日経産業新聞2017年4月24日付]

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