だがAQUOS Rは、キャリアから販売されるモデルであっても、2年間のアップデートを保証するとしている。こうした姿勢からも、シャープがキャリアに依存した従来の姿勢を、大きく変えようとしていることがわかる。
「IGZO液晶」を高度化し快適な使い心地を実現
AQUOS Rの内容を確認しよう。シャープの新しいフラッグシップモデルであり、同社の技術をフルに活用した高い性能と、快適な操作性を実現しているのが特徴だ。中でも力が入れられているのは、やはり同社の技術を活用した液晶ディスプレーの高度化だ。
AQUOS Rに搭載されている5.3インチのIGZO液晶ディスプレーは、従来のフルHDよりもより高い解像度のWQHD(2560×1440ピクセル)をIGZOとしては初めて実現。さらに液晶テレビの技術を活用し、色の再現範囲を広げる「リッチカラーテクノロジーモバイル」を取り入れるなどして、より実物に近い、鮮やかな色味を再現したとしている。
見た目の美しさだけでなく、実用性の面でも高度化が図られている。実際、AQUOS Rのディスプレーは、前機種(「AQUOS ZETA SH-04H」など)と同様、表示速度が従来の倍となる120Hz駆動に対応しているのに加え、見やすさを向上させる新たな工夫を取り入れることで、残像を抑えスクロール中の文字がしっかり読めるなど、より滑らかな表示と高い反応速度を実現。加えて水にぬれた状態でも操作ができるなど、単なる防水を超えた利便性を実現している。
このほか、AQUOS Rはクアルコムのハイエンドモデル向け最新チップセット「Snapdragon 835」を搭載し、メモリーも4GBと、従来より大容量のものを採用。ソニーのXperia XZ Premiumなどと並んで、現時点でのほぼ最高峰の性能を達成している。
自撮り派などにむけ、カメラは「広角」にこだわり
もう1つ、大きく進化したのはカメラだ。AQUOS Rは背面に2260万画素のメインカメラを備えているが、大きなポイントとなるのは超広角のレンズを採用し、90度の画角を実現していること。また自分撮り用のインカメラにも、1630万画素という高い画素数のカメラを採用し、さらに自撮り棒を使わなくても数人が同時に入っての撮影が可能なくらい、広角のレンズを採用しているという。
広角であることに力を入れる理由について、シャープのIoT通信事業本部パーソナル通信事業部商品企画部長の小林繁氏は、「スマホの写真は構図を考えて美しく撮るよりも、見たままのものを残すことが重要。目の前にある風景を空気感ごと残すため、超広角のレンズを採用した」と話している。特にインカメラの広角レンズは、自撮りを頻繁に使う若い女性などに大きく受ける可能性がある。