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葬儀費用、生保の当日払い活用 銀行凍結でも現金準備 保険内容を家族で共有

2017/4/25

 終活がブームで自分も気になっています。葬儀には多額の費用がかかるそうですが、生命保険で備えた場合、家族が困らないようすぐにお金を受け取ることができますか。

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 日本消費者協会の最新の調査によると、2016年時点の葬儀費用の全国平均は195万7000円。ピーク時(03年)より約2割減ったものの、13年の前回調査より約7万円増えた。

 身内中心の「家族葬」が増えるなど葬儀の簡素化がトレンドだが、金額は個人差や地域差が大きい。中には400万~500万円かけた例もあった。

 葬儀費用に故人の銀行の預貯金や生命保険の死亡保険金を充てようと考える遺族は多いだろう。だが、預貯金は名義人が死亡すると一般的に口座が凍結され、引き出せなくなる。一方、生命保険には死亡診断書などの必要書類をそろえて平日の午前中に手続きをすれば、当日中に一定金額を受け取れるサービスがある。

 ソニー生命保険は4月から「保険金クイックサービス」の内容を見直した。以前の支払い上限は請求当日が300万円、翌々営業日で500万円だったが、当日に一本化し限度額を1000万円に増額。「保険金の残額を請求するのが面倒だとサービスの利用を控える人がいたようだ。限度額を上げれば、1回で請求手続きを完了できる人が増える」と説明する。

 利用の際は担当者に連絡のうえ、専用の保険金請求書や死亡診断書など被保険者の死亡を証明する書類をファクスで送る。当日払いを希望するなら、必要書類が午前11時までに本社に到着することが条件。それ以降は翌営業日の支払いになる。保険金は受取人の口座に振り込まれる。

 当日払いで先行したのはプルデンシャル生命保険だ。1997年に300万円を上限に始め、14年に500万円に拡大した。担当社員を介して必要書類や請求書を本社に送る。ジブラルタ生命保険も導入しており、限度額は500万円だ。当日払いにはプルデンシャルが午前11時、ジブラルタが正午までに手続きを終える必要がある。

 大手では第一生命保険が当日払いを実施している。午前10時30分までに被保険者の死亡が記載された住民票など必要書類をそろえて請求手続きを済ませれば全額を、住民票が準備できなくても同時刻までに所定の手続きをすれば500万円を上限に受け取れる。必要書類を営業社員に託すか、受取人が同社の窓口を訪ねて手続きをする。口座送金のほか現金持参のサービスもある。

 短期間で多くの資金が必要になるだけに、保険会社のサービス内容を家族で情報共有し、少しでも家計の負担を減らしたい。

[日本経済新聞朝刊2017年4月22日付]

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