この「豆選び」という段階に関して、ちょっとユニークな製品、というかサービスが登場した。それがパナソニックの「The Roast」だ。これは、「スマート焙煎機」と、毎月コーヒー豆が届く定期頒布がセットになったもの。焙煎機単体では購入できず、定期頒布も含めたサービスに加入する必要がある。このサービス名が「The Roast」になる。
◎オススメ家電(サービス)「The Roast」
「The Roast」では、生豆パックが毎月届き、それを好みに合わせ焙煎できる。生豆はそれぞれ異なる産地のものが200グラムずつ届く仕組みだ。
面白いのは焙煎の仕組み。生豆パックのパッケージに掲載されているQRコードを専用のスマートフォンアプリで読み取ることで、焙煎プロファイルがダウンロードでき、浅煎りから深煎りまで、2、3種の焙煎具合を選んで焙煎できる。
コーヒー豆の焙煎は、水分含有量をはじめとするさまざまな条件を見極めて行うため、高い技術と経験が求められる。「The Roast」の焙煎プロファイルは、焙煎世界チャンピオンに輝いた福岡の豆香洞コーヒーオーナー後藤直紀氏が担当。つまり、誰でもどこでも、世界チャンピオンの技術と経験で焙煎したコーヒー豆が手に入るというわけだ。
さらに毎月届くコーヒー豆は、老舗コーヒー豆商社である、石光商事が世界中のコーヒー産地から36種類(月3種の場合)を厳選したもの。これを2~3種類のプロファイルで焙煎できるため、家にいながら100種近くの味わいが楽しめることになる。
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「The Roast」で焙煎したコーヒー豆を、カリタの「ナイスカットG」でひき、「BALMUDA The Pot」でハンドドリップする。家庭でできるコーヒーのこだわりの究極の姿だといえるかもしれない。
入れる、ひく、そして焙煎にこだわる。あくまでコーヒーは嗜好品。だからこそ、どこまでこだわるかはその人次第だ。毎日のことだから、手軽に、できる範囲でこだわるのもいいし、週末だけ徹底してこだわるというのも方法だ。ただし、こだわりが深くなれば、なるほど、見えてくることは広がっていく。コーヒーにはそれだけの面白さがある。
毎日の、そして趣味のコーヒーを、自由な形で、こだわって、楽しみたい。
兵庫県出身。デジタル&家電ライター。PCからスマホ、デジタルガジェットから、家電製品とそれらに関するビジネスまで幅広く執筆活動も展開。ユーザー視点で実際に触ってテストするレビュー記事を多く手がける。また、企業のアドバイザーや、コンサルティングも行っている。