浦高の1学年は約360人。教員は73人。杉山校長は朝7時には登校、7時30分ごろから28クラスある全教室を回り、教卓のふき掃除をしながら、生徒に話しかける。すでに3分の1の生徒は登校して自習をスタートしている。8時40分から3時5分まで授業。その後、2~3時間は部活に費やし、6時ぐらいから各生徒はまた自習を始め、多くの生徒は9時ごろまで学校で勉強に励む。

「1日14時間ぐらい学校にいる生徒も少なくない。東京の進学校と違い、塾に通っている暇はないですね。日常的な通塾率は1割以下じゃないか」。杉山校長はこう笑いながら話す。では教員も『14時間勤務制』なのか。「いや、ワークライフバランスの時代ですからね。しかし、こちらが頭が下がるほど浦高の教員は面倒見がいい。公務員ではありますが、浦高の教師となれば、その時から覚悟をしますから」という。

型を守れから型を離れろに

「授業が勝負」が浦高生の合言葉

授業にも独自の手法がある。「守破離」という茶道や武道の教えに習って、「新入生では型を守るように教えるが、上級生になると、型を破れ、離れろという考え方で授業を進める」。例えば、1年生には数学のテストで合格点に満たない生徒には再テスト、再々テストと基準を満たすまで徹底的に繰り返すが、上級生になると、独自の解き方を生徒に考えさせ、自分の勉強法などスタイルを獲得してもらうというやり方だ。

アクティブ・ラーニング(能動的な学習)も積極的に取り入れている。対話型の授業を随時行うほか、物理などの実験も年20回は実施、その度にリポートを提出、しかも実験機器は手作りだったりする。

「授業が勝負」という浦高。各学年の授業風景を見て回ったが、ほかの科目の「内職」をしたり、寝たりしている生徒は一人もいない。学年が上がるごとにからだも一回り大きくなっている印象だ。

国公立大に263人

進学実績は公立高校でトップクラスだ。理系と文系の比率は65%対35%。17年の東大合格者は32人、京都大学16人、東北大学32人など旧帝国大の合格者が多い。公立高校の東大合格トップはライバルの都立日比谷高校に譲ったが、国公立大学の合格者数は実に263人に上る。浦高卒で東大理科1類の学生は「男ばかりでつまらない面もありましたが、体力だけはつきましたね」という。

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「神の手」の先輩から指導