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自分の強み見つけるロングセラー 新版刊行で高い注目 八重洲ブックセンター本店

2017/4/21

エスカレーターが2階に着くと、真正面のワゴンに『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版』が並ぶ(19日、東京都中央区の八重洲ブックセンター本店)

 ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。年度替わりのこの時期は自分の仕事を見つめ直したり、新しい部署で仕事の仕方に戸惑ったり、自らのスキルやマインドを更新したくなる場面に出くわすことが多い。そんなとき参照するのにちょうどいいロングセラーの1冊が新版に改まり、八重洲でも注目を集めていた。

■ストレングス・ファインダーが進化

 その本はトム・ラス『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版』(古屋博子訳、日本経済新聞出版社)。副題に「ストレングス・ファインダー2.0」とある。ストレングス・ファインダーとは自分の才能を測定するアセスメントで、ウェブテストに回答することで結果が得られる。そのテストへのアクセスコードが本書にはとじ込まれている。米調査会社のギャラップ社による「人間の強み」に関する長年の研究をもとに、公平性、内省、社交性、学習欲など34の資質が言語化されており、どの資質が上位に来るのかが測定される。その測定から分かることはどんなことなのか、それをどう活用すれば自分の強みを構築できるのか、アウトラインを説明した第1部と、34の資質についてそれぞれ5ページ程度で説明した第2部で構成される。

 旧版の刊行は2001年。以来、毎年2万~4万部売れるというロングセラーだった。旧版との最大の違いは、受けられるアセスメントそのものが「ストレングス・ファインダー2.0」へと進化したこと。15年間の蓄積をもとに「より精緻なものに改良した」と本書は書く。「才能についてより精密に、そしてひとりひとりに落とし込んだかたちで考えられるように」「5000種類以上の〈強みの洞察〉に基づいたレポート」が提供されるという。

■資質ごとに働き方のコツを提示

 アクセスコードと結果に基づいた報告があれば十分にも思えるが、個別の資質について書かれた第2部を読むことで、自分にない資質や強みになる可能性が薄い才能についても知ることができる。そのことで苦手な分野への対処やその選択肢について考えることができるという。1ページ半ほどの資質の説明、その資質を持つ人たちの肉声、どんな行動が向くかのアイデア、その資質を持つ人と働くときのコツがコンパクトにまとめられており、34の資質事典としても活用可能だ。

 「13日に店頭に並ぶと、すぐに本が動き出し、一気にベストセラーの6位になった」と副店長の木内恒人さん。対象週の後半3日間だけでこの売れ行きだから、勢いのよさが分かる。「旧版も定期的に社員教育用にまとめ買いが入る超ロングセラーだった」そうで、今後はこの需要が新版に置き換わっていきそうだ。

■稲盛氏の新著、上位に

 それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)なぜ、成功する人は神棚と神社を大切にするのか?窪寺伸浩著(あさ出版)
(2)成功企業に学ぶ実践フィンテック北尾吉孝著(日本経済新聞出版社)
(3)考え方稲盛和夫著(大和書房)
(4)「週刊文春」編集長の仕事術新谷学著(ダイヤモンド社)
(5)職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書武神健之著(きずな出版)

(八重洲ブックセンター本店、2017年4月9日~4月15日)

 1位と2位は著者・版元関係のまとめ買いが入ってのランクイン。3位は稲盛和夫氏久々の著書で、根強い稲盛人気が売れ行きを支えている。4位と5位はともに同店で著者イベントが開かれた。文春砲で話題の編集長が語る仕事術の本と、職場のコミュニケーションを考える本で、いずれもこの時期のビジネスパーソンの関心をひきつけているようだ。

(水柿武志)

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