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低空飛行専用のドローン ラジコン界に革命か?

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日経トレンディネット

老舗ラジコンメーカーの京商が2016年11月25日に発売した「DRONE RACER(ドローンレーサー)」の売れ行きが好調だという。2016年12月のクリスマス商戦においては、ホビー模型の大手流通バイヤーが「売れた注目のR/C商品」としてドローンレーサーを挙げたほどだ。

ドローンレーサーは、既存のドローンとは異なり「空高く飛んでいくことなく、低空飛行でレースを楽しむ」という斬新なコンセプトが予想以上に受け入れられ、既存のラジコンユーザーのみならず、多くのガジェット好きからも注目を集めている。また航空法の規制対象外のため、どこでも遊べるのも魅力だ。

ラジコンレースといえばこれまではサーキットカーやバギーなどの4輪車が主流だっただけに、飛ばすだけでなくレースも楽しめるドローンレーサーはまさにエポックメイキングな存在。新たなカテゴリーの誕生を予感させる新商品の登場に、ラジコン業界の期待も高まっている。

今までにない魅力と新たな可能性を併せ持つ「新機軸のラジコン」はどのようにして生まれたのか。開発者の声を交えてその秘密を探るとともに、実際の操作感や楽しさもチェックしていく。

高度は「最大60cm」固定

ドローンレーサーは、4枚のプロペラで飛行するという点では一般的なドローンと共通だ。

だが、大きく異なるのは、基本的に35cmまたは60cmの高度でしか飛行できないということ。操縦者は機体の高度をほぼ操作することなく、通常のラジコンカーと同様に水平方向だけを操作することになる。

この特徴は、ドローンの長所である大空への飛行を制限する機能でもある。しかし、メインで開発を担った京商 R/C営業本部の石川博義氏によれば、「そもそも、既存のラジコンユーザーは『操作が難しい』という理由で、なかなかドローンに手が出せなかった。そこで、普通のラジコンと同じぐらい簡単に操作できるドローンを開発しようと考えた」という。

実際、この高度制限のおかげで、機体が天井や地面にぶつかる可能性は基本的になくなり、既存のドローンと比べ、圧倒的に操作しやすくなっている。

『F-ZERO』や『ポッドレーサー』を手本に

これに加えて、F1カーのような縦長で流線形のボディーも、他のドローンにない大きな特徴のひとつだ。そもそも、これまでのドローンはどちらかといえば機能性が追求されており、デザイン性が高いとは言い難かった。

一方、ドローンレーサーは、「開発当初のコンセプトから、スターウォーズの『ポッドレーサー』やスーパーファミコンの『F-ZERO』のようなイメージがあった」と京商 グローバルマーケティングの矢嶋孝之氏は話す。つまり、最初からSFチックな未来的レースカーのイメージがあったわけだ。

石川氏も「デザインにはかなりこだわった」と言うだけに、今までのドローンにないカッコ良さがあるのもうなずける。

目指したのは「従来のラジコンカーの感覚」

ドローンレーサーの開発がスタートしたのは2年前の2015年春頃から。そのなかで、最も苦労したのは先ほど紹介した「高度の制御にあった」(石川氏)。

高度を制御する仕組みは、至ってシンプルだ。

機体の下面に搭載する超音波センサーのスピーカーで超音波を発生。地面から反射した超音波を機体に搭載するマイクで拾い、気圧センサーと組み合わせて高さを識別する。

ただし、超音波の反射は地面の硬さや種類によって変化するため、「アルゴリズムの調整にはかなり苦労した」(石川氏)。

高度が上がると地面に超音波を届かせるためにマイクの音量を上げる必要があるが、「音量が大きくなると、超音波を発した瞬間に隣のマイクがそれを感知してしまう。そういった誤認識を防ぐ必要もあった」(石川氏)。

また、複数の機体が近くを飛んでいるとお互いの超音波が干渉し合うため、機体ごとに発信パターンを変える仕組みも内蔵している。

高度の維持とともに、石川氏がもう1つこだわったのが「機体の動きや操作感」だ。

フィーリングとして目指したのは「従来のラジコンカーの感覚」で、物理法則に則って惰性で進んでしまう機体の動きを残すなど、既存のラジコンカーにかなり近い操作感を実現している。

これが実現できたのは、ひとえに京商が長年培ってきたノウハウがあったから。矢嶋氏も「京商としては"操作する楽しみ"を込めた。これができるのは京商がラジコンメーカーだからで、既存のドローンメーカーにはできない」と自負する。

10分で操作に慣れた

実際に操作してみると、基本操作は確かに今までのラジコンカーとほぼ同じ、最初に高度を維持してしまえば、あとは前進/後退と右回転/左回転を操作すればOK。ラジコン初心者でも楽しめる。

普通のラジコンカーとやや異なるのは、スピードが出ていると曲がるときに機体が外側に流れやすいということ。イメージとしてはドリフトカーに近い。ただ、このドリフト感覚も遊んでいるうちに慣れてくるので、それほど操作のハードルを上げるものではないだろう。

そもそも、ドローンの操作でまず苦労するのが高度の維持(ホバリング)にある。ドローンレーサーはこれをほぼ自動でやってくれるので、それだけでもかなり助かる。

子どもの頃にラジコンカーに親しんでいた筆者は10分程度でそれなりに操作できるようになったので、まったくの初心者でも1時間とかからず基本的な操作はできるようになるだろう。

水辺や階段ではどうなる?

操作感はラジコンカーとほぼ同じ一方で、遊び方の幅の広さについては、ドローンレーサーはラジコンカー以上のものを持っている。

例えば、遊ぶ場所。まず前提条件として、200g以上のドローンは航空法の規制対象となるため飛ばす場所が規制されるが、ドローンレーサーは約130gの軽量設計によりこの規制対象には入らない。

そのため、特定の禁止区域(空港や国の重要施設の周辺、東京都であれば都立公園なども含む)以外であれば、自由に楽しむことが可能だ。例えば、ラジコンカーでは困難な水辺などもドローンレーサーなら問題ない。

そもそも、低空飛行とはいえ浮いているから、ちょっとした障害や舗装されていない場所でもモノともしないし、一般的な階段ぐらいの段差であれば、そのまま上っていくことも可能。風に流されやすいため環境に左右されるが、室内だけでなくアウトドアでもかなりアクティブに楽しめる。

また上級者向けに、パーツに手を加えてドローンレーサーの性能を変更できる仕組みを備えているのも、ラジコンメーカーの京商ならでは。プロペラの角度を変えて直線スピードを上げたりできるうえに、別売りのパーツやモーターに変更することで性能アップが図れるのも、これまでのドローンにないラジコン的な楽しみといえるだろう。

さらに、専用アプリを用意しており、パソコンやAndroid端末(Android版アプリは現在開発中)を介してソフトウエア的に機体の挙動を変更できる。スピードや旋回性を高めて自分好みのセッティングに調整したり、高度制限を1mまで上げたりもでき、楽しみの幅をさらに広げてくれる。

新たな市場を切り開いた

これまでドローンは、空撮などに使う10万円以上のハイエンド機と1万円前後で買えるトイドローンが主流だった。ドローンレーサーは価格的にも機能的にも、まさにその間を埋めるような、新たな市場を切り開く製品といえる。

操作も一般的なドローンに比べてかなり簡単。ドローンに興味があっても「技術的に飛ばすのが難しいから」と諦めていた人にはぜひとも試してほしいと思う。

また、昔ラジコンに親しんだ世代の大人にとっては、いまさらラジコンカーで遊ぶよりはドローンのほうが今の時代に合うと感じるはずだし、遊んでみると改めてそのラジコン的な楽しさにも気づくはずだ。

とはいえ、こうした市場はまだまだ小さく、京商としては商品自体の認知度を上げることが必要だとみている。さらに、実際に遊べるチャンスやレース大会などを増やすことも重要。同社では、新たな楽しみ方を提案していく必要性も感じているという。

例えば同社では、ドローンレーサーに付けるとコックピット視点での操作が可能になる小型カメラの開発を進めている。さらに5月11日から開催される「静岡ホビーショー」では、新デザインや女性向けの新型モデル、レース用のラップカウンターやゲートLEDセットなどのプレイツールなども発表予定だ。これから1~2年でどんなチャレンジができるのかが、ドローンレーサーのさらなるヒットのカギとなるだろう。

(スプール 近藤寿成)

[日経トレンディネット 2017年4月13日付の記事を再構成]

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