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100年迎えた慶応医学部 なぜVB100社目指す? 慶応義塾大学医学部長の岡野栄之教授に聞く

2017/4/29

慶応義塾大学病院(東京・新宿)

 2017年に開設100年を迎えた慶応義塾大学医学部。私学医学部のトップ校として知られ、東京大学の合格を辞退しても入学する受験生がいる唯一の学部ともいわれる。次世代のリーダー育成のため、健康医療分野のベンチャー企業(VB)の創出にも力を入れ始めた。有能な医師や研究者のみならず、起業家育成にも乗り出した狙いは何か。東京・信濃町の慶応大学病院に、医学部長の岡野栄之教授を訪ねた。

■東大蹴っても慶応医学部

 「今の学生は二極化しています。優れた英語の論文をさらっと書ける、僕らの医学生時代よりはるかに有能な学生もいれば、医者になればそれでいいと要領よく勉強している学生もいる」。慶応大学病院の裏手にある総合医科学研究センターの生理学教室で、岡野教授はこう話す。

 慶応医学部は「日本の細菌学の父」と呼ばれた北里柴三郎博士が初代学部長として1917年に開設した。東大理科3類(医学部医学科コース)や京都大学医学部をライバルとする、私学の最難関学部だ。「東大理科1類や2類に合格しながら、東大を蹴っても入る学部は慶応の医学部ぐらいしかない」(駿台予備学校)といわれる。

 慶応医学部の1学年の学生は約110人。うち約4割は慶応義塾高校など付属校出身者。ほかは開成高校や筑波大学付属駒場高校、桜蔭高校など全国有数の進学校の成績上位者ばかりだ。“臨床の慶応”と呼ばれ、慶応大学病院の外科や内科などには国内トップクラスの臨床医師がそろう。入院患者は1日平均800人前後で、病床稼働率は8割前後。外来患者数も同3000人を超す。

■大学病院、収支は厳しく

 ブランド病院の代表格的な存在だが、岡野教授は「うちは私学ですから、国の資金的な支援は大きくない。しかも大学病院の収支というのは、どこもそうだが、常に厳しい」と話す。

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