ライフコラム

立川談笑、らくご「虎の穴」

落語家の名前を自動変換してみたら… 立川談笑

2017/4/16

 マクラ話のテーマは「ヘアスタイル」。今回は落語家の髪形について考えてみます。周囲を見回して、先日ふと思ったのです。

 「最近の落語家は短髪が多そうだぞ」

 そこで考えました。現在活躍している落語家をヘアスタイルごとに分類して、相関関係を探ってみたら何か見えてくるのではないかと。そこに伝統は息づいているのか。はたまた意外な流行や、団体ごとの傾向があるのか。新作派と古典派にヘアスタイルの違いはあるのか。ふんわりヘアか、てかてかヘアなのかといった整髪剤の使用度も気になるところです。

 調査を前に、なんとなくの仮説を立ててみます。古典落語に重きを置く人は、丸刈りに近いほどの短髪が多くて、一方、新作にも挑む人はちょっと長かったりする。その上で「総じて短髪が多い。ただし、ソフトモヒカンのように部分的に長くするような、特徴的な短髪が主流」。これがひとまずの仮説であります。しかしながら先入観は禁物。冷静にいきます。

 それにしても便利な世の中です。先日は沖縄に向かう飛行機の中での執筆でした。いま現在は広島から東京に帰る新幹線の中でノートパソコン(PC)に向かっています。同時にスマートフォン(スマホ)でもインターネット。快適快適。

高座を前に準備する落語家の立川談笑さん

 時速250キロ(たぶん)の高速で移動しつつ、リサーチから開始します。あまねく落語家の画像を求め、落語協会のホームページにスマホでアクセス。都内に4つある落語家団体のうちの最大手です。ページを開くと、おやおや、何かポップアップしたぞ。

 「中国語(簡体字)のページです。日本語に翻訳しますか?」

 何だこれは。協会がウェブサイトに仕込んだジョークか。そうでもないか。漢字が多いから中国語と認識したのかな。

 気を取り直して。「芸人紹介」のページ、さらにその中の「真打」をクリック。うわっ! ずらりと落語家の名前が並ぶ。それもものすごい数だ。本当に真打だけで、これか。予想をはるかに超える数に、ヘアスタイルどころか人数をカウントするだけでも気が遠くなります。100人? いや、そんなもんじゃない。

 人数はあとまわし。とにもかくにも最上段の御大、三遊亭円歌師匠をうやうやしくクリック。ご尊顔を拝してヘアスタイルを……と思ったら、問題発生。「剃髪(ていはつ)」は短髪に含めるのか? 出だしから深刻なトラブルに直面しました。そしてさらに、ナチュラルな剃髪風、つまり禿(はげ)頭はどう扱うべきか? さあ、困った。あれこれといろんな落語家の写真を開いては髪形を眺めるほどに、執筆の先行きが曇っていきます。あ、あ……。

 んでまた、どうでもいいけど、いちいち「中国語のページです」の告知が出てうるさい。大丈夫か、このスマホ。

 うーん。いっそのこと勧められるままに翻訳してみました。

 わははは。ホントに翻訳しやがった。落語家の名前を、すべて中国語とみなして一斉に日本語に翻訳してみせた。このスマホめ! 思わぬ展開。しかもこれ、面白すぎるやつだ。よし、ヘアスタイルの話はやめてこちらに集中します。だって、マクラ話だもの。面白さ優先です。

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