女性

キャリア

キリン「なりきりママ」、次はパパ 介護にも生かせる キリン「なりキリンママ」プロジェクト(後編)

2017/4/21

右から井尻綾夏さん、河野文香さん、白河桃子さん、金田亜弥香さん、加藤ますみさん、樋口麻美さん、岩間勇気さん(写真:吉村永、以下同)

 こんにちは。ジャーナリストの白河桃子です。営業職と子育てを両立することはできるのか? キリンのグループ会社に所属する、20代後半から30代前半の子どものいない営業女子5人(未婚3人)が、「ママになっても営業ができるかどうか、実際にやってみよう!」とスタートさせた実証実験「なりキリンママ」プロジェクト(詳しくは前編『未婚の営業女性が「ママ」に挑戦 その驚くべき結果は』を参照)。1カ月間、2歳児を持つママになりきり、定時退社や突発的な早退など9つのルールを守りながら仕事をするという試みです。

 最終的に残業時間を前年比51%短縮、業績も前年を維持し、全国を上回るといった結果になりましたが、実験を続ける中で様々な紆余(うよ)曲折や気づきがありました。

井尻綾夏さん キリンビバレッジ 営業本部 広域開発営業部主任、息子(仮):悟飯くん

 今回は、彼女たちが生産性向上のためにどんな工夫をしたのか。今後の課題は何か。具体的にお聞きしました。

■営業ママに必要な工夫とは?

――営業職は、基本的に社員1人につき複数の取引先を担当しますよね。もし、子どもの病気で急に早退や休みが必要になったら、絶対必要になるのが、「情報の共有化」だと思うんですが、そのあたりは何か工夫されましたか?

井尻綾夏さん(以下敬称略) 白河さんのおっしゃる通り、情報共有は意識的にやりました。実験中、1人が複数の取引先を担当するという形は変えなかったんですが、自分が休む場合は他の誰かに対応をお願いしなければなりません。

加藤ますみさん キリンビール 南東北流通支社 営業部主任、息子(仮):じゅんくん

 私は、自分の仕事内容やスケジュールをアウトルックに詳しく書いて、関係者全員に「見える化」しました。その上で、緊急事態が起こった場合の対処を事前にお願いしておき、スムーズに対応していただいたことがあります。

加藤ますみさん(以下敬称略) 私は報・連・相をこまめにするようになりましたね。上司や同僚たちも、いつ私が休むか分からないという緊張感を持っていたようで、話し手・受け手の意識が随分変わったと感じます。

――情報の共有化以外にも、何か工夫はされましたか?

河野文香さん(以下敬称略) いつ何が起こるか分かりませんから、前倒しで仕事をするようになりました。この良い習慣は、実験が終わった今も継続しています。

河野文香さん メルシャン 首都圏統括支社 首都圏流通営業部流通第一支店、息子(仮):ともくん

金田亜弥香さん(以下敬称略) 会議の時間も短縮しました。制限時間厳守で決めなければならないので、言いたいことを遠慮している場合じゃなくて(笑)。自分の考えや疑問点を率直に伝えるようになりました。すると、相手もスムーズに意見を言ってくれるようになり、結果として会議が短くなったんです。

樋口麻美さん(以下敬称略) 午前中に会議をすることも有効でした。午後の会議は眠くなったり、ダラダラと長引いてしまいがちですよね。でも、午前中にやると短時間集中で効率よく進められました。

加藤 私が強く感じたのは、突発的な休みを取る場合、先方に理解していただく上で絶対に必要なのは、取引先や周囲と十分な信頼を築いていなければならないということです。良好な関係性を維持していたからこそ、突発的な休みや早退にも対応していただけるということは、心に刻むべきことだと思います。

女性

ALL CHANNEL