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「お酒の飲み過ぎは脂肪肝につながる」ウソ・ホント?

日経Gooday

2017/5/13

正解は、(1)ホント です。

脂肪肝とは肝臓(肝細胞)に脂肪(特に中性脂肪)が蓄積した状態を指します。つまり、食べ過ぎなどにより「肝臓に取り込まれる脂肪」が、肝臓から出ていく「使う脂肪」より多いと、使われなかった分が肝臓に蓄積するわけです。

脂肪肝を放置すると、炎症を起こしたり、線維化[注1]が進んで肝臓が硬くなるなどして、肝硬変や肝がんになる可能性があります。脂肪肝を甘く見てはいけません。

[注1]慢性的な炎症が起こることで肝細胞が死滅・減少し、線維組織が増殖していくこと。肝臓全体が線維化すると肝硬変などになる。

■アルコールそのものが脂肪肝の原因になる

自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科准教授の浅部伸一さんは、「脂肪肝の原因は主にカロリー過多の食事や慢性的な運動不足のほか、アルコールそのものが原因になります」と説明する。

脂肪肝とは、肝臓の肝細胞に脂肪(特に中性脂肪)が蓄積した状態を指す。脂肪肝は大きく、「アルコール性」と「非アルコール性」に分けられる。さらに非アルコール性脂肪肝は「単純性脂肪肝」と「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」に分類される

「脂肪肝には大量飲酒が原因のアルコール性脂肪肝と、肥満、脂質異常、糖尿病が関与する非アルコール性脂肪肝の2タイプがあります。一般に非アルコール性脂肪肝の患者の方が多いのですが、“酒飲み”の場合は、前者である可能性が高いといっていいでしょう」(浅部さん)

浅部さんによると、大量のアルコール摂取が脂肪肝につながる理由は2つあるそうです。

【アルコールの代謝のプロセス】アルコール(エタノール)は、約90%が肝臓で代謝される。エタノールは「アセトアルデヒド」「酢酸」を経て、最終的にはエネルギーと脂肪酸になる

「アルコールは中性脂肪の材料になります。肝臓に運ばれたエタノールは、アルコール脱水素酵素(ADH1B)によって、まずアセトアルデヒドになり、次にアルデヒド脱水素酵素によって酢酸となります。その後アセチルCoAを経て、最終的にエネルギーを生むとともに脂肪酸を生成します。この脂肪酸こそが中性脂肪のもととなるのです。そして、もう1つの理由は、アルコールが肝臓で代謝されている間は脂肪の燃焼が阻害されるからです」(浅部さん)

浅部さんによると、「1日の純アルコール摂取量が60g(日本酒にして3合)」を超えている場合、アルコール性脂肪肝であることがほとんど」だそうです。

■休肝日よりアルコールの総量が大事

脂肪肝対策には、休肝日を設けるよりも、アルコールの総量を減らすことが重要だと浅部さんは話します。

「適量は純アルコールに換算して週に150g程度。休肝日を取ることも有効ではありますが、休肝日明けにドカ飲みしてしまっては何の意味もありません。脂肪肝を改善したいなら、休肝日よりも“量を守ること”に注力するといいでしょう」(浅部さん)

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday 2017年4月3日付記事を再構成]

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