オリパラ

post 2020~次世代の挑戦者たち

元トレーナーが創業、AIとスマホで健康管理を手軽に 「ヘルステック」ベンチャーのフィンク(1)

2017/4/19

プロのトレーナー出身の創業者、溝口勇児社長(中央)を日本興業銀行出身の副社長、乗松文夫氏(左)と小泉泰郎氏(右)が支える

 東京五輪・パラリンピック後の時代「post2020」が直面する超高齢社会では、医療や介護に依存せず自立した生活ができる健康寿命をどれだけ延ばせるかが重要になる。2012年創業のベンチャー企業、FiNC(フィンク、東京・千代田)は人工知能(AI)とスマートフォン(スマホ)を駆使することで、健康に役立つ情報を一人ひとりに合わせて提供する。ヘルスケアとIT(情報技術)を融合させた、いわば「ヘルステック」ベンチャーだ。プロのトレーナー出身の創業者、溝口勇児・社長兼最高経営責任者(CEO、32)を日本興業銀行(現みずほ銀行)出身の2人のベテラン副社長が支える。溝口社長に創業の狙いと展望について聞いた。(聞き手は 編集委員 渋谷高弘)

 ――フィンクとは、何をしている会社ですか。

 「健康や美容を意識する人々に、スマホの専用アプリを通じてアドバイスや情報を届けるベンチャー企業です。3月7日からインターネット上で無料アプリ『FiNC』を提供しており、このアプリをダウンロードした利用者は自分に最適な健康や美容に関する情報を、FiNCのAIによって受け取ることができます。このAIによるサービスに先立ち、14年から実際のトレーナーや栄養士などの専門家が専用アプリ経由で、ダイエットやトレーニングの目標をもったお客様を個別指導する有料サービスも提供しています。このサービスは『FiNCダイエット家庭教師』と呼び、約3万円からご利用いただけます」

 「従業員は約 220人おり、3分の1がアプリやAIを開発する技術者、3分の1がトレーナー、栄養士、薬剤師、看護師、遺伝子研究者といったヘルスケア分野のプロフェッショナル、残る3分の1がそれ以外という構成です。最近、ITを駆使して金融関連サービスをする企業をフィンテックと呼びますが、我々はITを駆使してヘルスケア関連のサービスを提供していますので、『ヘルステック』ベンチャーと呼ばれることが増えています」

「まず国内でナンバーワンのヘルステックサービスになる」と話す溝口勇児社長

 ――利用者からすると、フィンクのサービスによって何をしてもらえるのですか。

 「結論からいうと、他のサービスと比べて手軽に、安価に健康や美容に関する悩みを解消できるということです。僕は17歳からトレーナーとしてのキャリアを歩み始め、トップアスリートから一般の方まで、幅広くサポートしてきました。当時から、お客様にはできる限り安価で、楽しく、トレーニングを提供したいと思っていました。しかし一対一の対面サービスでは限界があります。まずトレーニングをするにはお客様との間で、時間と場所の調整をしなければなりません。時間に制限がでてしまうし、交通費もかかるし、手軽でもない。10万円単位の費用をいただく必要があるのです」

 「より多くのお客様に、手軽に、安価に、満足していただけるサービスを提供するためにはどうしたらよいか考え続け、12年に起業しました。たどり着いた結論が今の2つのサービスです。1つ目は、健康・美容の専門家がスマホを使って多くのお客様に時間と場所を問わずアドバイスする方法。2つ目が、専門家の知識やアドバイスを深層学習させたAIによって、より不特定多数のお客様にアドバイスする方法です。AIを使い効率化したことで、基本無料でサービスを提供できるようになりました。どちらもスマホとアプリは必須ですが、AIを活用すれば日本中、世界中の方々が手軽にサービスを利用できます」

オリパラ新着記事

ALL CHANNEL