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スタンフォード大学経営大学院のキャンパス (C)Elena Zhukova

スタンフォード大学経営大学院のキャンパス (C)Elena Zhukova

世界でもトップクラスの教授陣を誇るビジネススクールの米スタンフォード大学経営大学院。この連載では、その教授たちが今何を考え、どんな教育を実践しているのか、インタビューシリーズでお届けする。今回はJ・D・シュラム氏の3回目だ。

日本は先進7カ国の中で最も自殺率が高い国だ。警察庁の発表によると2016年の自殺者数は約2万1000人。特に若者の自殺率の高さは社会問題となっている。自殺未遂体験から多くを学んだシュラム氏が今、日本人に伝えたいこととは?(聞き手は作家・コンサルタントの佐藤智恵氏)

スタンフォード大学経営大学院 J・D・シュラム氏 Courtesy of Stanford GSB

スタンフォード大学経営大学院 J・D・シュラム氏 Courtesy of Stanford GSB

うつ病で苦しむ日本の方々へ

佐藤:世界的に見ても、日本は自殺率が非常に高い国です。昔のシュラム先生と同じように、アルコールや薬物依存から抜け出せず、うつ病に苦しんでいる人も多いのです。このように人生に絶望してしまっている人々に、どのようなアドバイスをしますか。

シュラム:これは私自身の経験からもいえることですが、抑うつ状態から解放されるのに最も効果があるのは、とにかく専門家と話すことです。自分の苦しい内面を明るみに出さない限り、うつ状態からなかなか抜け出せません。そのためにも、医師、セラピスト、ソーシャルワーカー、カウンセラーといった専門家と会話をすることが大切なのです。

自分の気持ちに共感してくれる人と話したいと思い、オンラインでうつ病の人や自殺願望のある人を探して、傷を舐めあってしまう。これではうつ病は悪くなるばかりです。彼らは「その気持ちわかるよ」「僕も同じだよ」と同調してくれるかもしれませんが、そこから抜け出る助けにはならないのです。

私の場合は、心理療法、精神療法だけではなく、医師の指導のもと、うつ病の薬も飲みました。薬を飲むのはとても嫌だったのですが、医師が「今のあなたには絶対に必要です」と強く勧めたので、従うことにしたのです。結果的に医師の指導に従ってよかったなと思います。私の症状はどんどん改善していきましたから。次第に投薬量も減っていって、1年後には、全く必要なくなりました。

ですから、今、うつ病で苦しんでおられる方々は、ぜひとも信頼できる医師の指導に従っていただきたいと思います。自己流で薬を飲んだり、勝手に薬をやめたりしたがためにうつ病が悪化し、自殺してしまった、という人が後をたたない。これはあまりにも悲しいことです。

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