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「要介護1」から家族負担軽く 保険や制度など活用で

2017/4/16

 公的介護保険で要介護認定を受ける人が増え続けている。とりわけ認定数が多いのが「要介護1」。介護サービスを受ける必要度はまだ低い段階だが、介護にあたる家族の負担は決して軽くはない。最近は要介護1でも、一定の支援や保障を受けられる制度や保険商品が拡充されている。活用するコツを探った。

 「これから要介護度が上がっていくと考えると気が重い」。東京都在住の会社員(42)は話す。昨年、別居する母(81)が初めて要介護認定を申請した。

 結果は、7つある区分のうち最も低い「要支援1」だったが、その後、近所で転んでケガをするなど状態は芳しくない。ほかに頼れる家族はいない。働く自分の都合も含め、今後の負担が気がかりだ。

■負担感大きく

 社会保険労務士の池田直子氏は「要介護度の高低と、介護する人の負担感の軽重は必ずしも一致しない」という。厚生労働省の調査によれば、要介護1でも、同居する主な介護者が「ほとんど終日、介護する」と回答した比率は13.5%ある(図A)。

 「半日程度」も合わせると、2割以上の人が介護にかなりの時間を割いている。介護時間がそこまで長くなくとも、「要介護度が低いうちにしっかり今後の対策を練っておきたい」と池田氏は助言する。

 今年1月、介護をする会社員らにとって重要な制度変更があった。育児・介護休業法に基づくルールが見直され、家族を介護するために勤務先を休む「介護休業」を、これまでより取得しやすくなった。

 対象となる介護状態の基準は昨年までは「要介護2~3程度」とされていた。今年からは「要介護2以上」または「歩行、薬の内服、排せつなど12項目のうち一定の状態にあてはまる場合」と変わった(図B)。

 要介護1以下でも、条件を満たせば、勤務先に申請することで介護休業を取ることができる。池田氏によると、「公的な基準よりもさらに介護休業を取りやすいよう独自の基準をもうける企業もある」という。

 介護休業は、最長で93日(家族1人当たり)まで取得可能。従来は原則、一度にまとめて取る必要があったが、今年から、3回まで分割できるようになった。介護や仕事の事情に応じて、休む時期を決めやすくなった。

 休業中は、雇用保険制度上の条件を満たせば、「介護休業給付金」を受け取ることも可能だ。給付額の水準は昨年8月から引き上げられ、賃金の67%(従来は40%)相当となっている。給付金について疑問があれば勤務先かハローワークに問い合わせよう。

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