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ロート製薬会長兼CEOの山田邦雄氏

ロート製薬会長兼CEOの山田邦雄氏

創業家出身のオーナー経営者が、数代後に新規事業に挑み、収益を拡大するケースは珍しい。ロート製薬の山田邦雄会長兼最高経営責任者(CEO)は、4代目にして過去最高の収益を上げている。OTC(店頭)医薬品事業中心から近年、海外から優秀な研究者も集めて再生医療事業に挑んでいる。山田会長の考える後継者育成など今後のロート製薬の姿を聞いた。

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OTCから、再生医療へ

――OTC医薬品中心の世界から、今、再生医療分野に積極的です。かなり大胆な方向に向かっているように見えるのですが。

「多少強引なところもあると思うんだけど、再生医療ってまだ研究段階なんですよね。僕らも事業化に取り組もうと、細胞の製造ラインを自前でつくったんだけれど、実は目薬の工場のノウハウが役立っている。目薬の工場は無菌環境でやるから、どうやって細胞培養を無菌環境で実施するとか、案外技術的には地続きなところもあるなと。だから商品の出て行く先が片方は病院、片方は薬局なので違うけど、根っこはそんなに変わらないと思っている」

「実用化の道は遠いけど、できるだけ先にやらないと、いろんな特許問題で外国勢にもっていかれてしまう」

――人員は再生医療の研究のため、新たに採用したのですか。

「確かに外部の人材も加わったが、主力メンバーはずっとうちの研究をやってくれていた人たち。混成部隊だ。大阪大学や東京大学の医科研など、様々な研究機関とも組んで開発している。外国籍の研究者にも、うちの日本の研究所で働いてもらっている。海外のライバル勢は多国籍でやっている。アップルの研究所なんて、いい人材をありとあらゆる国から集めている。『日本人だけでやります』なんていっていれば最初から不利に決まっている」

外国籍社員を増強、インド人副社長も

――外国籍の社員は何人いるのですか。

「研究所所属の120~130人のうち今は10人強だが、全体の2割まで持っていけたらと思っている。一応、日本語か英語が話せたらOKということにしている。日本語を話せない人もいるから、周りが英語をしゃべるしかない。当然、使えば上手になる。将来、そういう人がロートの海外の現地法人で働いてもらう、というのも循環していけば面白いなと考えている」

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